第12話
そういえば、私が死んだとき、勇者が手にしていたのは光り輝く剣だったが、あれが聖剣であると、私は本能的に感じてしまった。何せ魔族の中でも、魔王は聖剣でしか殺せないとかそういったストーリーが広まっていたからだ。しかし、よく考えてみれば、それはただの本の中の話。聖剣で私は殺されたのだろうか――。
翌朝。
「アメリア。聖剣は入手できたか?」
「それが、見つからなかったのじゃ。流石に簡単に見つかるようなところに聖剣なんてあるわけないのじゃ」
「じゃぁ、やっぱり……ダイヤモンド帝国の要件を飲もうよ」
「でも代わりにいい話を聞いたのじゃ。魔王は聖剣が無くとも討伐可能なのじゃ」
アメリアは、三人にそう伝える。晴人は何だかわくわくした顔をしている。どちらかというと喜んでいる様だ。確か、ゲームは難しければ難しいほど楽しいとか言っていたような気がする。簡単に聖剣が手に入ってしまえば楽しくないというのか。
「振出しに戻ったな。一人でも魔王は倒せて、聖剣も必要ない。つまりは魔王に出会えば殺せるってわけだが、どうする?」
「まずは、四天王をやるところからじゃない?四天王はそこらへんの魔族より強いわけだし、アメリアみたいな最強キャラと戦っておいた方が戦闘の経験も積めるし」
「そうじゃな。将吾にはダイヤモンド帝国で話したのじゃが、おそらく四天王の一人に君臨しているホワイトドラゴン。これは厄介どころじゃないのじゃ。魔力量は我が四天王をしていた時では最弱じゃったが、それをカバーするくらいの戦闘スキルがあったのじゃ。まさしく戦闘の天才じゃ」
紫龍はそう告げた。もしも、まだ四天王として残っているのならば、敵にしたいとは思えない相手だ。
「その話なんだが、ダイヤモンド帝国のギルドで耳よりの情報を聞いた。ダイヤモンド帝国の近くの魔族領のダンジョンに、どうやらSランク級の化け物がいるらしい」
「我のようにただ家でゆっくりしているという感ではないのか?」
「それが、冒険者によると、封印されているんじゃないかって話だ。扉には変な紋章があって、扉に近づいただけで中に転移するような魔法が使われているらしい」
ダイヤモンド帝国の地下で見た扉と同じような原理だろう。ただこちらはダイヤモンド帝国の地下よりも悪質だ。近づいただけで中に強制転移される仕掛け。準備も隙も与えないというわけか。
「じゃあ、それにしよう。念入りに準備して向かえば大丈夫だよ。僕らは神話級魔法を使えるし」
「晴人、待つのじゃ。幾ら強いからって、今すぐ乗り込むのは早計じゃ。ホワイトドラゴンに魔法は殆ど当たらぬ。まぁ、八十年前の勇者に瞬殺されなかったのは四天王の中ではホワイトドラゴンだけじゃ。奴は戦闘経験からほとんどの魔法を回避しておる」
「なるほど、ドラゴンというから図体が大きい。図体が大きいと回避しにくいっていう欠点があると思っていたけど」
ホワイトドラゴンはアメリアと同じく八百年以上生きているが、アメリアのように魔法に恵まれなかった。その為、ホワイトドラゴン種の中では最初は落ちぶれていたという。しかし、寝る間も惜しみ、皆が遊んでいる中も一人練習に励んだ。こうして私が魔王だったころは、ホワイトドラゴン種の中では最強。そう呼ばれるまで成長した。魔法は努力でどうにもならない。しかし、それ以外の要素は努力で幾らでも補えると。
「我は、かつての同胞であるから、分かる。我は奴に一度も勝てたことは無い」
「え、アメリアでも勝てない??あの防御結界があるのに?」
「あ、え……っと……防御結界を会得したのは、その後じゃ、ダンジョンで暇していた時に練習していたのじゃ。そしてようやく得た魔法なのじゃ」
アメリアには毎度申し訳ないが、私の正体がバレぬようこれからも最強を演じてほしい。
「とにかく、魔法だけで勝とうとするのは危険じゃ。奴の真骨頂は、敢えて相手に魔法を打たせて魔力切れを狙っての試合じゃ」
「勇者だと魔力量は相当な量になる。だから先代の勇者たちは切り抜けられたのかもな」
普通の人間じゃ、どう考えても勝ち目のない相手だ。ただの魔法では皮を切ることすら叶わず、全て避けきってしまうだろう。
「それだったら、動けないようにすればいいと思うんだけど、どう思う?」
「確かに、そうだな。闇属性の魔法に相手の動きを封じる魔法がある。その魔法を掛けて……」
相手の動きを封じる魔法。闇属性の行動不能魔法のことだろうか。効果は相手の動きを三秒間止めるというもの。この魔法は、対象指定をすることで、相手に確実に当てることが出来る。
しかし、この対象指定、実はデメリットの方が大きい。対象指定の魔法はこの行動不能魔法以外にも私の防御結界など、色々と存在しているが、殆ど実戦では使われていない。
それは、魔力量と効果が見合っていないからだ。この行動不能魔法は帝王級魔法。相当の魔力を消費するが、拘束できるのはたった三秒だ。勇者ともなれば魔力は潤沢にある。それ故使えると踏んでいるのだろうが、大間違いだ。
行動不能魔法は、相手の手足を一時的に拘束するもの。つまり、三秒間動けなくするわけだが、この三秒で相手を倒さないといけない。理由としてはこの三秒という時間を相手に与えているということだ。勇者は魔法に詠唱を必要としていないが、普通は詠唱をする。この魔法は、手足しか制御できない為、この三秒間詠唱をする時間を与えているのだ。三秒あれば幾ら魔法に才がないと言われたホワイトドラゴンでも魔法を詠唱するだろう。
「三秒で倒せなかった場合、我らはホワイトドラゴンの魔法を浴びることになるのじゃ」
「それも防御結界で出来るんじゃ」
「そ、そう防御結界は便利なものではないのじゃ。そもそも防御結界は対象指定の魔法で、我ら五名に魔法を使うとなると相当の魔力消費量になるのじゃ」
私のことを心配してくれているのだろうが、五名程度なら実害はないだろう。長期戦に持ち込まれると厄介だが。
「魔力量低いなら、そこまで強い魔法は詠唱できないだろうし……」
「とにかくさ、まずはダイヤモンド帝国のギルド行ってみない?詳細も聞きたいしさ」
確かに扉の事も気になる。どのような紋章が書かれていたのか、ダイヤモンド帝国の城の地下にあった紋章と同じなのか。気になることは多い。
「転移する前に、装備をこのアメシスト王国で買うのじゃ!我は、紫龍だった頃、よくここに買いに来ていたのじゃ」
アメリアがこの国の貨幣を持っていたことには多少違和感を持っていたが、ようやく点と点が繋がったような気がした。まさか、普通に人の姿で買いに来ていたとは。
「アメシスト王国は、基本的には農業と商業が盛んなのじゃ。隣国が多いからじゃな。色々なものが手に入るのじゃ」
確かに地図上では、アメシスト王国は、西側にダイヤモンド帝国、東側にガーネット王国。そして南側にはダイヤモンド帝国領となってしまったが、アクアマリンという場所がある。これによって様々な物が行き交うという。
「魔道具を買うのじゃ。これはマジックバッグと言って、どんな大きい物でも入れられて、入れた時の状態を保ってくれるバッグじゃ。この魔法は実際に存在するのじゃが、無駄に魔力を使うよりも魔道具で消費を抑えるという方が理にかなっているのじゃ」
確かに、マジックバッグは、魔道具の中でもポピュラーな方で、バリエーションも多い。
「我が奢るのじゃ。まぁ、これは我からの感謝の気持ちと捉えてくれ」
アメリアは私達を連れて、魔道具屋と書かれた露店に立ち止まる。どうやらよくここに訪れているらしい。
「ここの魔道具屋がおすすめなのじゃ。このマジックバッグもここで購入したものなのじゃ」
アメリアはそう言って紫色のバッグを見せた。アメリアの髪色と同じ綺麗な紫色でよく似あっている。
「本当だ、可愛い」
「そうじゃろ、夏帆はこの葉っぱと花柄のバッグとかどうじゃ?」
「うん、とってもかわいい」
アメリアはそう言って三人分のマジックバッグを適当に見繕う。流石はおしゃれに気を遣っているアメリアだ。私が魔王の時から全く変わらない。
「優香は、この水色のバッグとか似合いそうなのじゃ」
「そ、そうかな?」
アメリアは私に水色のバッグを渡した。別に私はマジックバッグの魔法が使えるが、周りに怪しまれないようにだろう。申し訳ないと思いつつも、バッグを受け取った。
「とてもいい買い物をしたのじゃ」
アメリアはマジックバッグから金貨を数十枚出した。大分金には余裕があるように見える。
「どこでそんな金を手に入れたの?」
「ん?ああ、この金か?商人に、我の鱗を売ったのじゃ。実はあれ、超高級の装備になるから、割と儲かるのじゃ。まぁただの生え変わりで簡単に手に入るのじゃが」
そう言ってアメリアは笑った。まさか自分の鱗を商人に売っていたとは思わなかった。確か、ギルドに紫龍を倒したと言わせたときにも鱗を渡していたが、そんな簡単に流通させて良いものなのだろうか。
「一枚、金貨五十枚じゃ、ぼろ儲けなのじゃ!ははははは」
一枚金貨五十枚。紫龍のサイズから考えてみれば、相当な量の鱗が付いているだろう。鱗の市場価値を下げないようにタイミングを見計らいながら、商人に売りさばいているらしい。
「マジックバッグってすごいんだね、今まで結構荷物持ってたから、結構楽になったかも」
「そうじゃろ、夏帆。これは冒険者にとっては必須なのじゃ」
「ガーネット王国ではこういうのちょっと高かったんだよな」
将吾と晴人は、武器や装備をガーネット王国で揃えていた。ガーネット王国では確かに前金としてかなりの額を貰っていた。王都の店は洋服などを取り扱う店が多く、私もオーダーメイドで仕立ててもらったし、夏帆も様々な服を購入していた。
ガーネット王国に居た頃は、この世界に召喚されて日が浅く、魔道具について三人の知見が少なかったから、マジックバッグという存在すら知らなかったのだろう。
「気を取り直して、ダイヤモンド帝国まで転移するか」
将吾の言葉と共に、私たちはダイヤモンド帝国の一角に転移した。将吾ばかりに魔法を使わせているのは申し訳ない。
「そういえば、夏帆って風属性に適性あったよね?転移魔法覚えてみたら?」
「実は、アメシスト王国にいるときにちょこっと覚えたんだ。将吾だけに負担はかけられないでしょ」
「そっか。余計なお世話だったね」
ダイヤモンド帝国の帝都に着くと、辺りが少し騒がしく感じる。深夜に城に侵入したことがバレたのだろうか?
「何かあったのかな?」
「号外だ!サファイア国が魔族によって支配されたらしい!!」
大声でそう叫ぶ少年は、何やら紙のようなものを見せている。情報伝達に使われている伝書の複製だろう。サファイア国とは魔族が完全に支配下においたとされるオパール国の右隣の国であった。オパール国が乗っ取られた後、魔族との戦争が激化しているという話だったが、遂に人間族が敗れたということだろう。
「サファイア国って結構大きな国だよね?」
「ああ、それにダイヤモンド帝国の植民地である、ルビーと隣接している。ダイヤモンド帝国は、実質、魔族支配下と隣接してしまったということだな」
魔族領はかなり拡大している。オパール国を中心に、その勢力は止まることを知らない。かと言って、今すぐに魔王討伐に行けるほど、このパーティーは強くない。全属性持ちの将吾は、魔法に関してはまだまだと言ったところで、戦闘経験の浅さが出てしまっているし、晴人は、ゲーム経験があるからか、弱点を突こうとしているが、運動経験の無さからか体が思うように着いていけてない。夏帆は、指示を待っている感じで明らかに前線で戦えるようなタイプではない。アメリアは、高火力の魔法が売りの紫龍。直情的で攻撃が分かりやすい。魔王クラスなら相手にもならないだろう。
「それなら、尚更早く力を付けて魔王討伐しねえとな」
「うん」
将吾はダイヤモンド帝国のギルドへと向かった。ギルドには血気盛んな冒険者たちが沢山いた。サファイア国の破滅を受けて、冒険者たちは今以上に魔族への敵対心を露わにしている。
「まずいことになったのじゃ」
「この状況下で、ホワイトドラゴン討伐なんて依頼が舞い降りてきてしまえば……」
それは、まるで最初から計画されていたように、ギルドのSランク依頼書としてホワイトドラゴンの討伐依頼が追加された。サファイア国のように滅亡したくなければ、魔族を狩れというメッセージ性を感じる。
「Sランク依頼に突っ込む奴なんて馬鹿か失うもののないやつだよな」
「相手はあのホワイトドラゴンだろ?ドラゴン族の中で最も強い種だぞ」
Sランク依頼を見つめる冒険者の中で、口々に意見を言っていた。普通に考えれば、天地がひっくり返っても勝つことのできない相手。依頼書に群がるだけで、本気で行くつもりのある奴はそう簡単にいない。死にに行くようなものだと、最初から分かっているからだ。
「優香、ちょっといいかの?」
「ん?どうしたの?アメリア」
アメリアは私にそっと耳打ちをする。
「もし、相手が我らの知るホワイトドラゴンならば、きっと話せばわかるはずなのじゃ。我にした時のように、ホワイトドラゴンの好物とかを渡せば……」
「全員がアメリアみたいなタイプじゃない」
そもそもお菓子で釣れるような四天王はアメリアくらいだ。四天王と呼ばれるくらいには、皆どこかでネジが外れている者ばかりだった。ホワイトドラゴンも忠誠心が高い故、私に弱点を見せないようにしていたし、なるべく感情的にならないようにしていた。
「そうか、ならば我の姿を見ればきっと話してくれるはずなのじゃ」
「そうかな。アメリアが言っていたように、今もまだ魔王に仕えているとしたら、魔王を裏切る行為なんてしないと思うけど」
ホワイトドラゴンがまだ魔王に仕えている可能性は高い。前の四天王の中で一番強いという箔だけでなく、その忠誠心の高さ、仕事の速さ。どれをとっても文句なしだ。
「依頼、引き受けてきたぞ。なんか冒険者一斉に行けば勝てるとかで盛り上がっちゃってさ」
「全部で何人なのじゃ?」
「十三人くらい……」
「ちょっと待つのじゃ、我の防御結界でその人数は不可能じゃ。五人でもかなりきついのじゃ。防御結界は神話級魔法。そもそも同時にいくつも展開するだけで大変なのじゃ」
アメリアはそう付け加える。
「でも、皆、意気揚々としているし」
「気持ちだけでありがたいのじゃ、じゃが、我を知っているのはお主らだけじゃ。それでは十分な力が発揮できないのじゃ」
「た、確かに」
将吾はすぐに納得して十三人の冒険者を断った。アメリアの姿が実は紫龍だなんてバレてしまえば大変なことになるのは間違いない。
「それじゃあ、気を取り直して依頼を受けるのじゃ。皆魔力は大丈夫かの?」
「うーん、さっきここまで来るのに転移魔法使っちゃったからちょっと疲れてるな」
将吾は腕をくるくると回しながら言った。確かにこのパーティーの中で将吾だけ魔力が少し少ない。
「ならば、この花の香りを嗅ぐとよいのじゃ。天使草といって魔力の回復や傷の治癒に使われておる」
「ありがとう」
「大丈夫なのじゃ」
しれっとアメリアが出しているこの花だが、素材としては相当高級なものだ。まず、群生地が魔族領の北側にしかなく、人間族でそこまで奥深く入る者は殆どいない。さらに、生えている場所の近くにはブルードラゴンや黒龍といったモンスターの住処があり、たとえ近くまで来れても、天使草に辿りつくことは難しい。
「て、天使草!?」
冒険者たちは一斉にアメリアの方を見る。アメリアは外見的にはまだ十三、十四くらいの幼い少女である。そんな少女が天使草など持っていれば怪しまれるだろう。
「初めて見たぜ……Aランク依頼の中でも割に合わない採取依頼だと思っていたが」
「これ、なんか貴重なものなのか?」
「気にしなくていいのじゃ。まだ四本くらいあるのじゃ」
アメリアが天使草を取りに行くのはそう難しいことではないだろう。そもそも魔族であるし、今は落ちぶれたとはいえ紫龍に手を出すような魔族は殆どいない。
「じゃあ、遠慮なく」
将吾は、天使草を鼻に近づけて匂いを嗅ぐ。私は一度嗅いだことがあるが、まるで天国に行ったような、そんな気分のする良いにおいだ。言葉には上手く表せないくらいの匂いと共に、全身の疲労が嘘みたいに消えるのだ。
「すげぇ、疲れが全部取れた気がするぜ」
「そうじゃろ。じゃあ早速向かうのじゃ!」
私達五人は、多くの冒険者に見守られ、少しの嘲笑を受けつつも転移魔法の魔道具の上に乗る。まずは、全員生還。そして出来ればホワイトドラゴンと話がしたい。魔族を殺すことは私の意に反する。
「おお、ここから二百三十二キロ先らしいのじゃ」
「大分奥深く入るね」
「何を言っているのじゃ?たった二百三十二キロ先じゃ。我の背に乗るとよい」
アメリアはネックレスに触れ、元の姿へと戻る。そこに少女の面影は全くない。全長五メートル近くの巨大な龍がそこにいた。
「さぁ、捕まるのじゃ」
「え?落とされたりはしないよな?」
「大丈夫なのじゃ、ドラゴン族に多少乗り心地は劣るのじゃが、しっかり捕まれば落とされることはないのじゃ」
私たちはアメリアの言葉を信じて背に乗る。こうして背に乗ることは初めてだ。アメリアは皆が乗った事を確認すると、一気に上昇していった。登り龍の絵のように。
「待って、聞いてない、なにこの速さ!!」
夏帆は私の前で悲鳴を上げている。ここで振り落とされれば地面に真っ逆さまだ。
「ここから二百三十二キロじゃったな?すぐ着くのじゃ」
アメリアはそう言って、ジェットコースターのようなスピードで雲の近くを駆け抜けていく。正直言って、息をしている方が辛い。私は気づかれぬようにそっと皆に新鮮な空気を送った。酸素ボンベのような役割をしてくれるだろう。
「ふぅ、ここらへんじゃな」
「はぁはぁはぁ」
「どうじゃ、速かったじゃろ」
アメリアはどうやらとても満足している様だ。久しぶりに飛行したのだろう。そしてアメリアの言っていた通り、ダンジョンらしき影が見える。そのダンジョンは明らかにアメリアがいたような家ではない。あまり年季を感じないダンジョンだ。
「ふむ、新しいダンジョンじゃ。このダンジョン全体に魔法が掛けられておる」
「確かに、アメリアがいたダンジョンと比べるとだいぶ違うね」
「とにかく、慎重に進むのじゃ。我が先頭を歩く。その後ろに、将吾、晴人、夏帆、優香の順でついてくるのじゃ」
アメリアはそう言って、ダンジョンに一礼して入った。このダンジョンは家というよりは、牢獄のようなそんな雰囲気を感じさせる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます