第24話:エルフの村まで何マイル?



 エルフのFLちゃん。


 幼い(レベルが)のわりに、アクティブな


 島を案内してあげたら、今度は『エルフの里に行ってみない?』と。


 エルフ村に行ったコトがなかったのもあって、一緒に行こうってことに。


 とりあえず、また島から海底空間を走って大陸へ移動。


 港の村で。


「この先、危険があるかもだから、姉ちゃんとバトンタッチするね」

「あ、じゃあウチも姉ちゃんに」

「オレもファースト呼んで来るわ」


 と、ウチも含めてセカンドキャラだったので、より上位レベルのファーストキャラにチェンジ。


 と、そこへ。


「Narurunさん! Aさん! こんにちわっ! どこへ行かれますやら!?」


 以前に、島の遺跡ダンジョンパーティからのAさんジョブクエストの時のリーダーさん。


 TRさんと呼ぼう。


※名前は、実際のキャラクター名の略称イニシャルっぽくしてあります(笑)



 TRさんもテンション高いよなぁ、と、思いつつ。


「エルフの村を見学に行こうかと」


「是非ご一緒にっ!」


 えー……。


「いいですよー」


 てな感じで。


 FLちゃん先導(船頭?)で、ウチ、Aさん、G3さん(DRちゃんの兄)に、TRさんを加えて。


 いざ、出発。


 港の村を出発して。


 最初にFLちゃんが倒れていた場所で。


「あっちに、なんか抜け道っぽいのがある! 行ってみましょう!」


 TRさん……。


 狩場を突っ切って。


 モンスターに襲われる、と、思いきや。


 TRさんの攻撃魔法で、一網打尽。


 しばらく会わない内にずいぶんレベルアップされた模様。


 まぁ、Aさんの魔法や戦士のG3さんの攻撃力、防御力もあって、楽々。ウチの回復魔法もあるしね。


 で、狩場を突っ切ると、本当に抜け道が。


 その先も別の狩場になっているけど、非アクティブばかりみたいで問題なく。


 一度、街道へ出て、街道沿いに、と、思ったら。


「川沿いに行くと楽ちんなのです」


 今度は、FLちゃんが。


 ホントかよー? と、思いつつも後を着いて行くと。


「あちこち彷徨って見つけました(えっへん)」


 本当に、モンスターもおらず、居ても川辺までは来なくて。


 なるほど、大陸を移動する時に使えるな。



 川沿いに北上して、野を超え、丘を越え。


 たまにモンスターに遭遇するけど、火力で押せ押せ。


 ウチひとりだとヤバイかもだけど、パーティ組んでるし、問題なし。


 で、エルフ村に近付いたところで。


「あ、お馬さんだー」


 ユニコーン。


 頭に一本、角のある、馬。


 TRさん。


「こいつに挑戦してみます!」


 えー。


「ウチはここで」


 と言ってTRさんがパーティを抜ける。


「手出し無用で」


 ユニコーンに突っ込んで行く、と言うか、遠距離から火炎魔法を、ズドン。


 一発では仕留められず、反撃を喰らうけど、逃げながら、魔法を放つ。


 ユニコーンとTRさんの攻防。


 結果は。


「復活アイテム、要ります?」


「いあー、一度村に戻って体勢立てなおすわー」


 そですか……。


 って事で、TRさんとはここでお別れ。


 ウチらは街道を……走らずに狩場を突っ切って。


 まぁ、村にほど近い狩場なので、モンスターのレベルも低いようで問題なく。


 エルフ村に、到着。


「うわ……」


 ヒューマンの村、島の村は、なんか雑然とした、純朴な雰囲気だったけど。


 エルフの村は。


 荘厳?


 村自体が、円形のお皿かお盆のような形で、湖の上に浮いている。


 浮かんでいるんじゃなくて、湖の上空に、ホントに


 どうやって浮いているのかはわからんけど。


 四方からその村に繋がる橋がかかっていて、その南側の橋から村の中に入ると。


 円形の中央が広場になっていて、外周にいろんな施設が立っている。


 そして、その円形の村の北側に見えるのは。


「おぉ?」


 空を覆うほどに、巨大な樹。


 近寄って見上げていると。


「世界樹……エルフの母……エルフはこの樹の下で産まれるのデス」


 何故か、ちょっとシリアスに、しんみりと、FLちゃんが解説してくれる。


「世界樹の下に居ると、MPの回復速度が早くなるんですよー」


「へぇ……」


 そして。


 時間も結構、遅くなってたので、これで解散。



 今でも思い出せる、なつかしい旅、でした。



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