第13話:ジョブチェンジクエスト開始



 海底空間(バグ)を使って、島から大陸まで、移動。


 ちなみに、正式公開前のベータテストはこういったバグの発見も期待されている事だろう。


 残念ながら、バグなので正式公開時には修正されて使えなくなる(実際に使えなくなった)


 オープンベータは、一般公開で行われたが、それ以前にクローズドベータなる、申し込み者抽選で参加できた時期もあったらしいが。


 ウチがスタートしたのはオープンベータの途中から。



 そんな、世界がまだ不安定な、時代。


 海岸付近にある村へ到着して。


「ここから、となりの村まで走るよー」


 と、リーダー。


 リーダーの知り合いのジョブチェンジクエストは、海岸近くにある村ではなく、少し内陸に移動したところにある村からスタートらしい。


 その知り合いとも、その村で合流するらしい。


「と、言いたいところだけど、時間も遅いし、スタートは明日の夜に」


 ずこーっ。


 確かに、遺跡パーティから、海底空間の移動と、時間はかなり過ぎている。


 その日はそこで解散して、翌日。


 各自の都合などもあり、翌日、再集合したメンバーが少し変わっていた。


 数人の入れ替わり。


 ひとり、上位の回復&支援ジョブのお兄さんが追加。


 逆に、男性の見習い魔法使いさんは来れない、とか。


 戦士の女性もひとり欠席かな?


「集まったね」


 結局、隣の村で合流予定だった『ジョブチェンジクエスト』するヒトも海岸近くの村で合流。


「本日の主役、登場!」


「……よろしくです」


 この時、初めて出会った彼女。


 ここでは、Aさん、と呼ぼう。


 まさか、その後、長いおつきあいになるとは、思いもよらず。


「じゃぁ、出発しましょうかー」

「あ。WW(移動速度アップの補助魔法)かけますねー」


 いやぁ、魔法の名前、そのまま書きたいところなんですが。


 書いちゃうと、元のゲームがバレてしまうかもなので、遠回しに。


 略称なら、まだ大丈夫でしょう(笑)


 WWが、何の略かは、想像してみて下さいまし。


 ジョブの名称とかも、一般名詞に置き換えてお届けしています。


 うぅ、面倒くせぇ……。


 で。


 上位の回復&支援ジョブさんから移動速度アップの補助魔法をかけてもらって。


 九人のパーティで、となりの村まで、移動開始。


 おぉ、いつもより、走る速度が、速い。


 補助魔法のすごさよ。


 ウチもジョブチェンジしたら使えるようになるるん!


 ウチら、見習いの魔法使いは、上位のジョブとして、回復&支援職か、攻撃魔法使いか、どちらかを選んでジョブチェンジできる。


 今回のAさんのジョブチェンジは、回復&支援職ではなく、攻撃魔法を扱う魔法使いのジョブ。


 もともと、回復職がやりたくてスタートしてたので、今回のジョブチェンジクエストの見学は、直接的な参考にはならない。


 ジョブチェンジクエストが、どんな雰囲気なのか、体験してみたかった、ってところが大きいのと、その場の勢いで釣られて行きたいって言っちゃったところも、無きにしも非ず。


 走行するうちに、隣の村に到着。


 NPCに話しかけて、クエストを受領して。


 クエスト、スタート!



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