《おまけ》好きな人の隣


 朝起きるとかわいい顔が横にある。

 まだ、目を開けそうにない。


 高橋さんの頬に手を添える。

 柔らかい頬を撫でると少し眉間にシワが寄った気がしたので添えるだけにする。


「花音好きだよ」



 昨日は驚いた。まさか高橋さんが私のことを好きだと思わなかったから。

 よく、私と話す時だけ異常なくらい顔を赤くしたが、それは赤面症のせいだと思っていた。


 今まで女の人しか好きになれなくて、好きになった人とはいい感じになった時に告白をしていた。しかし、いつも返ってくるのは「女の子だから付き合えない」ばかりだ。

 高橋さんにもこの気持ちを知られてらきっと嫌われてしまうし、それだけならいいが、仕事も上手くいかなくなると思って秘めていた。


 ただ、彼女の隣で仕事をしているとどうしても抑えられなくなりそうになる時がある。


 それならいっそ振られてしまった方がいいのかもしれない。


 そう思って飲みに誘ってまずは仲良くなろうと思った。


 今の状況をとても嬉しく思うと同時に手を出すのが早すぎたと後悔もする。

 高橋さんは付き合うのは初めてだと言っていた。

 もっと、ゆっくり高橋さんのことを待つべきだった。恋人らしいことをしてからこういうことをするべきだった。


「はぁ……」


 ため息をついていると、高橋さんが体を寄せてきた。いつの間にか起きていたようだ。

 少し眠そうな顔で話しかけられる。


「やっぱり私と昨日みたいなことするの嫌でした?」

 とても不安そうに聞いてくる高橋さんがかわいすぎてまた襲いたくなる。

 彼女の唇にキスを落とす。


「もっと順序大切にするべきだったなって」

 生きてきた中で1番反省している。


 そういうと、高橋さんがぎゅっと抱きついて

「私は…凛花さんと両想いになれただけで嬉しいです」


 自分の心臓がドクンとなり飛び出そうになった。

 どうやら、私は彼女と居ると理性を抑えられなくなるらしい。

 彼女に覆い被さるようになって目を見ていう。


「花音が私のこと煽ったんだからね」


 高橋さんはそんなつもりはないのだろうけど、私の理性はどこか旅に出かけてしまったらしい。


 そのまま彼女と昨日したことよりももっと激しく熱い時間を過ごすことになった。



 高橋さんがずっと離れないように、たくさんの愛をこめて言う。


「花音大好きだよ」


「私も大好きです、凛花さん」

 高橋さんは笑顔で答える。


 彼女と唇を重ねて幸せな時間が流れた。





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