第17話

12月〜。んー、そうだねぇ。生きることを、楽しむのさ!


12月31日 〜小児科〜

「メリクリ!」 

「過ぎただろ。今日は大晦日だ。」 

「看護師さんって、ひとは少ないけど、クリスマスもお正月も、関係ないんだね。」 

「休み希望は出来るとしても、逆にひとが少ない分、大変だろうね。尊敬する。」 

「こんな日に、救急患者が来たら、どうすんだろ。精神科でも、暴れるひととかいない?」

「まあ、そこらへんは、どうにかなるんじゃない?」

「どうなるのさ?でも、あなたも少しはポジティブになれたってことかな!」

「ただ、全てを諦めているのさ。」

「なるほど。瞑想(めいそう)か!」 

「世界で一番、楽しそうなひとで賞を贈ろう。僕からのプレゼントだ。」 

「光栄です!って、あなたは何もしてないプレゼント!考えてくれたね、ありがとう!」

「君といると、マイナスの奥底から、無になって、プラスが湧いてくるね。」 

「それはよかった!私もあなたといると、楽しいよ!」 

「へえ。君は物好きだね。君は僕の初めて打ち解けられたひとだ。」 

「ねえ、写真撮らない?写真嫌いそうだけど、記念に!お願い!」 

「写真嫌いなのよくわかるね。いいよ。僕持ってないけど。」 

「私スマホ持ってないからカメラで!ハイ!キウイ!カシャっ!」 

「どうしてキウイなんだ?」 

「キウイ、って言うと、イ、で口角が上がるんだって!スマイルスマイル!笑顔!」

「そろそろ病棟帰るね。退院したら、その写真、僕にもちょうだい。」 

「いいよ!写真、わかった!じゃあ、また一ヵ月後ね!」

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