第15話

第4章 11月〜。君はなんでめげずに明るくいられるの?


11月30日交換 〜小児科〜

「やっほ!」 

「おう。」 

「君には、疑問だらけだ。君のことを、よく知らない。」 

「そういうもんじゃないの?一患者同士。」 

「友達、とか恋人、とか、そういうキーワード?心情?浮かんでこないの?」 

「あなたにそんな言葉が浮かんでくる方が、私の疑問だね!」 

「僕、そんなこというひとに見えない?」 

「少なくとも、この頃まで、そういった印象はなかったね。最近、お薬変わったりした?」

「あー、鬱が酷かったから、抗うつ薬を入れられたかも。今、躁状態かな。」 

「気分が落ち込んでたから、ハイテンションになる薬を飲んでるのね。」 

「そういったことだ。薬を止めれば、また死にたくなるんだろうな。」 

「今はそういう感情はないの?」 

「いや、君に会いに来るまでは、死にたい消えたいのオンパレードだった。」 

「私の存在が抗うつ薬だったりして!」 

「君に依存するつもりはないよ。でも、君のことを、よく思っているのは確かだよ。」 

「頻度の『よく』?良いの『良く』?」 

「深く考えてなかったけど、どっちもだ。」 

「あなたのお役に立てて嬉しいよ。」 

「話が逸れたな。いつか近い内、君のことを聞かせてくれる?」 

「いいよ。あなたのこともね!じゃあね!」

「また一ヵ月後な。」

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