第9話

8月〜。いいよ。私は全くそうとは、思わないけど。


8月31日 〜小児科〜

「あっ!」

「やほ!」 

「ど、どうだった?」 

「うん。あなたの素直な意見が聞けて良かった!こういうひとがいるんだなー、って!」

「怒ってない?僕のこと嫌いになったでしょ?」 

「別に!怒ってもないし、あなたのことは、嫌いになってないよ!」 

「そうか。よかった。君の心は空より広いね。」 

「空かあ。あなたは命と寿命は神様からの贈り物、って信じる?」 

「信じる、って淡いって言ったし、儚い。そんな夢より、両親の遺伝的な方を信じてる。」 

「現実的なのね。あなたは。でも、神様はいると思うな、私は。生まれ変わりも。」 

「僕も天国とか神様にすがりたいよ。でも神様がいるなら、僕を落としたのを恨むね。」 

「んー、それはきっと、魂の試練なんだよ!」 

「何それ?」 

「たとえばひとつ、子どもは親を選んで生まれて来るんだって。それは、この親なら自分を愛

してくれる、っていうひとが多いみたいなんだけど、中には、その親のことを自分が幸せにす

るために生まれて来たってひともいるみたい。」 

「僕はどちらでもないな。」 

「他にもあるよ!自分の魂を周りの厳しさから磨いて、強い魂になるため。それと、困難があ

っても幸せな人生を送ることが出来る自分を創る、修行のため。」 

「僕はさっきのと比べれば、こっちかな。」

「そうだ。今日、検査なんだ!もうすぐ。また、一ヵ月後!」 

「ああ、またな。」

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