自分は、何をするべきか

第一発見者、そして容疑者になったらしい。

彼女がなくなったのは、僕が駅について間もなくのころだと分かった。

その時間にはアリバイがあったため、今日の所は釈放された。

自分が疑われたのは、事件現場に広がる香水を持ってきていたのも要因だった。

しかし、いつも通りストックを用意してきただけで、これまでの会話から関係ないとされた。

まだ、疑われていることだろう。


そして、彼女の部屋から”遺書”が見つかったことで、自殺の線が濃厚になったそうだ。

自分が家に着いたときは、まだ彼女は温かかく彼女の寝坊は、発見してもらうための嘘だったのではないかと言われた。

事件への関与は、していないだろう。遠くから、そう警察官が言っているのが聞こえた。


外に出ると、太陽が時間の進みを訴えて来るかのように、日差しが目に染みる。

現実か夢か定かではなかったが、1人きりになると現実だったと突き付けられる。

嫌に静かだ。どんな音も遠くから聞こえてくる。

自分がちっぽけな存在であるように思えてしまった。


後日、警察からの連絡があった。

死因は、首吊りの窒息死。

これを聞いた時、僕には疑問が生じた。

僕が見た時、彼女は床に横たわっていた。


警察には、僕が下ろしたと思われていた。


横たわっていたと言うと、少し顔を歪め、

「お気持ちはわかります。ですが…」

と言われ、聞く耳を持ってくれなかった。


僕は彼女が死んだ時、部屋には誰かが居たと確信している。

自殺に見せ掛けた他殺かもしれない。

だが、警察は調べてくれない。

探偵や弁護士に依頼するべきか。

僕は、この件を暴くべきなのか。


何も分からない。それでも、今は動くべきだろう。

いや、動かなければいけない、そんな気がした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る