猫は涙を流さない

村田知良

第1話 もう居ない。

?「ふん、、」

俺「...」

?「えいぃ!」

俺「......っん」

?「あぁぁぁぁ!」

俺「.....ふぎゃぁ!!!??」

?「っあ、ごめんよ!」

俺の上にまたアイツが落ちてきた。アイツとは、アメリカンショートヘアの(仮)雨だ。雨は、ニヤニヤしながら謝罪をする。

俺「いい加減にしてくれよ!何度、俺の上に落ちれば気が済むんだ!」

ここに来てから、毎日のように雨がキャットタワーの上から何度も落ちてくる。

雨「多分、登るの下手なんだよ。だから、なかなか飼ってもらえない。」

少し悲しげな表情を見せながら雨は言う。確かに雨は、キャットタワーへ登るのが下手だが、顔は良いから飼われないという事はないと思うのだが、、

俺「そんな事ないと思うぜ?」

雨「ありがとう、、、。」

俺「でも、俺の上に落ちるのは違うからな!」

雨「はい。」



         数ヶ月後


店員A「そろそろ、コイツも保健所かな?」

店員B「そうだな、飼い手見つからなければ、、

俺自身、正直言って雨よりは先に飼われて行くと思ってた。

俺「、、、」

俺「まじかよぉぉ!」

俺は、このまま死んでいくのか?と、かなり落ち込み寝て起きたら知らない場所に居た。話声がする!と思い、声の方へ行くと父、母、娘の3人家族がいた。

母「あら、かわいい」

娘「猫さん!」

父「//////(無言で居たい。父として!)」

ガチかこの父親と思っていると俺は、勢い良く頭を撫でられた。この娘3歳位だが、撫で方はまあまあうまいようだなとか思いながら、ごろごろと喉を鳴らした。なぜここにいるかはわからないが、心地よいので良しとしよう。周りが少しうるさく聞き耳を立てていると、、、

店長「例のネコなんだけどね、、、」

母「大丈夫ですよ。でも、悲しいですけどね。」

店長「、、、はい。ではまた」

ん?どういう事だ?なぜ、店長が居る??例の猫?俺の事か?悲しい?何故だ?と考えていると

娘「前のネコしゃんどこ?」

リビングで寝ていた、娘が目をこすりながら玄関まで出てきた。

母「、、、今は、まだ会えないけど大きななったら会えるかもね?」

娘「じゃあ、私早く大きくなる!」

母「お母さんも娘ちゃんに負けないぐらい大きくならなきゃね、、、」

娘「トイレ行ってくるねおかあしゃん」

母「行っておいで」

と笑顔で言う母。娘が、リビングの扉を閉めた時もうその顔には、笑顔はなく大つぶの涙だけ残っていた。床には、小さな水たまり。俺も理解はした。リビングのテレビ台にある、娘と写っている猫は、俺のよく知っている猫だった。て、事はあいつはもうこの世に"もう居ない。"



END




猫は涙を流す事は出来ない。さらには、猫同士の友情など存在しない。そして、ペットに限らず命あるものの代わりなどない。その命尽きるまで捨てるべからず。読んで頂き誠にありがとうございます。初投稿になりますが以後お見知り置きいただけたら幸いです。






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猫は涙を流さない 村田知良 @muratakazuyosi

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