長らく「愛人の一人」だった私が、遂に本妻の座についた。 あの人の親族からは非難轟々であったが、誰にも文句は言わせない。 ようやく手に入った栄光に、ざまぁみろと喜ぶ私だったが……・ 時代が生んだ哀愁の物語とでも言うのでしょうか。 愛を掴もうとした彼女に感情移入したのもあって、最後の顛末にもみくちゃにされました。 自分の発した言葉が後に返ってくるという点では「ざまぁ」なのでしょうが、 一概に因果応報とは言い切れない話でした。