【短編】世界中の真夜中に
松下一成
【短編】世界中の真夜中に
人は寝ている時、夢を見る。そのメカニズムは科学的に明らかになりつつあるらしいのだけれど、それだとロマンが無いし、それだけを本当の事だと思いたくは無かった。
だから、こう考えることにした。
寝ると人は自分の意識だけじゃなくて、自分の体重も感じなくなる。寝ている時「体が重いなぁ」なんてことは思わない。だから寝ている時はきっと無重力の空間に自分の体が行っているんじゃないかって思う。
寝ている時、人は宇宙に行っているんだって。
みんなが寝ている時、同じようにみんなが宇宙に行っていてそこでたまたま会うんだ。その時に色んな人に出会って、その時に起きた出来事が夢になって目の前に見えるんだ。
だから寝ているタイミング次第では会えない人が出てくる。地球の裏側の人とは昼夜が逆だから普通に生活をしていればその人とは絶対に夢で出会うことがない。
けれど、たまに眠れない夜が来る。
いろんな悩みを抱えていたり、悲しい出来事があったり。逆にうれしいことが明日待っていると中々眠れないことがある。
夜眠れなかったから昼間に眠くなって昼寝をする。
そうするといつも会えない人と出会うことになる。自分が全く知らない誰か。見たことも無い景色を見ることが出来る。いつもの景色ではない、違った景色が私を変えることがある。
だから眠れない時は自分がいつもの人じゃなくて、誰か他の人に出会いたいって思っている時なのかもしれない。
自分が変わりたいって思う時なのかもしれない。
【短編】世界中の真夜中に 松下一成 @KZRR
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます