第40話 黒鉄と断界
「今更おいらの爆発は止められねえ……!! 爆裂魔法……!!
巨大な文字盤が突如ダイナムの背後に現れた。
ジリリリリリリリリリ……とけたたましい
「消し飛べ……!!」
ガキン……
その時、呪詛の鎖がダイナムの文字盤に巻き付いた。
「悪いがそれは無理な相談だ……!!」
間延びして音としての体さえ失った警告音が不気味な歪みを伴って収縮していく。
「おめえ……!? 一体何をした!?」
「光すら飲み込む超重力。ブラックホールの鎖だと思ってくれ。時間は拡張し、速度は無限に失われていく……!!」
「意味のわかんねえこと言うじゃねえぇええええ!! それにT・N・Tが使えねえなら、おめえを殺してからゆっくり村を吹き飛ばせば済む話だ!!」
ダイナムは両手に魔力を纏わせタタラに飛びかかった。
怒りの形相のダイナムにタタラは手をかざしてつぶやく。
「
ダイナムの身体を四倍の重力が襲う。
突如、四百キロもの自重に見舞われたダイナムは思わずその場に膝をついた。
「ぐぅう……これほどの魔力を秘めてやがったか……」
「諦めろ。殺しはしたくねえ。兵を引いて作戦は失敗したと伝えろ。二度とこの村に手を出すな」
タタラが言うとダイナムはニヤリと笑う。
「馬鹿言うんじゃねえ……アダムス様の狙いは封印された神々だ……諦めるわけねえ。それに……」
ダイナムははち切れんばかりに血管を浮き上がらせ、無理矢理に四倍の重力を押しのける。
「おいらはまだ負けてねえ……!! 爆裂魔法……!! 奥義……!!
ダイナムの身体にヒビが入り、そこから光の線が漏れ出した。
「お前のどんな技も、次元の壁は超えられない……!! 重力魔法✕名刀
タタラは腰の刀を抜いて刃の背に左手を当てた。
黒紫の魔力が刀を覆い尽くしていく。
「道連れにくたばれぇええええええ……!!」
閃光が迸り、ダイナムを中心に大地がめくれあがる。
迫りくる弩級の大爆発を前にタタラは境界線を引くように刀で地面を斬りつけた。
地面が切り裂かれる。
明らかに刀身以上の長さにわたって切り開かれた大地が、ダイナムとタタラの間に横たわる。
深い溝の奥には、黒紫の魔力が煮え滾っていた。
「
その言葉と共に、切り裂かれた大地の奥から重力の壁が噴出する。
ダイナムの自爆殺は重力の壁にぶつかると、地獄の底に引きずり込まれるようにして、深い裂け目に飲み込まれてしまった。
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