第37話 魔力と肉体と魂
「ぶふぉ!? やっぱりニルワナ神はご神木にいるのか!? 探す手間が省けたぜ!!」
ダイナムは満面の笑みを浮かべて叫んだ。
「なんだと!? どういう意味だ!?」
タタラが睨むとダイナムはクククと肩を震わせた。
「いいだろう! 冥途の土産に教えてやる!! おいら達、親衛隊長は各地の信仰狩りを仰せつかってる!!」
「どういう意味だ!? それが何になる!?」
凄むタタラにダイナムは肩をすくめてみせた。
「さあな? アダムス様の考えはおいらにはわかんねえ。だがアダムス様はおいら達とは頭の出来が違う。異次元の存在だ!! おいらはアダムス様を信じてる!!」
「おのれ……!! 新王などどうでもいい!! ニルワナ神を狙っていると分かった以上、貴様は我の命に代えても倒す……!!」
「「「ティンポ!!」」」
ん!?
その時背後から三人呼び声が聞こえ、タタラは困惑する。
あ……そうか……
ジルはそう呼ばれてんだったな……
「マイスイートラブリーチャーミング!!」
絶対振り向かんぞ……
エルの呼び声が聞こえたタタラは断固無視を決め込んだ。
「ああ……その連れないところがまた素敵……✘✘✘しそう……/////」
何も聞こえない。聞きたくない。
「オッパ!! パイパイ!! チッチー!! 無事だったか!! どうやってあの傷を!?」
ジルは目を三人の姿に目を見張った。
「この娘に助けられた。お前の言う通り、不思議な娘だ。ぜひ推したい」
「素晴らしい娘だ……可愛い。この娘は命の恩人だ。結婚キボンヌ」
「まさしく聖女だ。神の御業だ……夜の御業を体験したい」
ああ……性女の信者が増えていく……
「それより、奴はニルワナ神を狙ってる!! 手を貸してくれ!!」
ジルの言葉に応じて三人は真剣な表情で頷いた。
「ふへへ……雑魚が何人増えても一緒だぜ……!! まとめて粉微塵にしてやる……!! 爆裂魔法……
ダイナムの身体を覆う巨大な魔力から小さな魔力片が無数に飛び出した。
握りこぶしほどの爆発だが、当たればそれなりの脅威になる。
ジル達、セデック・バレーの戦士は散り散りなってそれを躱しながらダイナムに向かって突っ込んでいった。
「クソ……早く戻れ!! 俺の魔力……!!」
タタラが歯噛みしていると、エルがひょっこり現れて言った。
「ああ……タタラの魂と肉体……魔力が調和してないんだね」
「なんだと!? わかるのか!?」
「うん! なんとなくね?」
エルは思いついたように上を見上げると、モジモジしながら頬をピンクに染めて言った。
「治してあげよっか……?」
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