第4話 王都陥落
「ぐへへへへへ!! やりましたね!! タタラさん……!!」
「おうよ……!! 貴族どもの情けねえ面は傑作だったな!!」
金貨や宝石のしこたま入った革袋をジャラジャラと鳴らしながら、タタラと特攻隊長のサンボが悪人面で不敵に微笑み合う。
いつの間にかすっかり盗賊スマイルが身についたタタラの下に、子分の一人が駆けてきた。
「タタラさん!! 新聞持って来ました!!」
「おう!! 読んでみろ!!」
「へい!! お・う・と・に・て・は・ん……ハチ……?」
ハキハキと一文字づつ新聞を読むのはダリィ。
しかしその声は突如途切れて沈黙が訪れる。
「てめえ……字の勉強しろって言ってんだろうが!! 貸せ!!」
「すみません……!!」
そう言ってダリィは新聞を差し出した。
タタラはそれを受取ると低い声で言う。
「あとで勉強部屋に来い……」
それを聞いたダリィは頭を抱えてトボトボと壁際に引き下がった。
「ったく……王都で反乱軍が蜂起……?」
「タタラさん? どうしたんすか?」
「サンボ……急いで準備しろ!! 王都で仕事だ……!!」
目をギラつかせたタタラのその言葉で、一同にも緊張が走る。
しかしそれは大仕事の前には必ず訪れる、いわばルーティーンのようなものだった。
身軽さを重視した皮の武具で身を固めると、タタラが率いる銀狼盗賊団は洞窟から出陣した。
しかしこの時は、これが何度目かの運命の岐路になるとはタタラも夢にも思っていなかった。
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