第3話始まりの日③

「黒鉄、そんな事してないで早く行くぞ。」

「そうだな、行くか。」他生徒と煽り合いをしていた黒鉄は龍樹に連れられ大演習場に向かった。向かう前に、龍樹は、他の男子生徒に向け、「そもそもお前らが俺たちに勝てる訳無いけどな(笑)」と言い放ちながら出て行った為、他の男子生徒も全て黒鉄達を追いかける為大演習場へ向かった。

集合時間の10分前ほどの時間に来た2人は、自分達よりも早く来ていた奴が居た。

「ようやく僕以外に人が来たね。」

「そう言ってもまだ10分前だぞ?お前が早すぎるだけだろ。」早く来ていた男の言葉に森王が反論する。

「なぁなぁ森王、あいつ誰だっけ?」

「黒鉄お前、流石に失礼だぞ?前回の定期試験で三位だった奴だよ。えぇっと、、、名前は確か…」

「音崎 断音です!何度か手合わせした事あるのですから覚えてて下さいよ。」少し悲しそうにしながら断音は答えた。

「あぁ、そうだったな悪い。」

「そう言えばそんな名前だったな。」悪びれた様子もなく、二人は断音に平謝りをした。

「まぁ、そんなことは良いですよ気にしないで下さい。」そんな言葉とは裏腹に、本当は、(私の事など学年TOP2の二人には眼中にないのですね…そうですよね私の事などどうせ覚えてくれないのですよね、、、、)と、とても悲しそうにしていた。

「そういえば断音、確かお前って俺らの学年で唯一の能力持ちだったよな?」森王は思い出したかのように断音に質問した。あまりにも急な質問だったため、少し驚きながらも、

「あ、あぁ、」(やった!私が能力者って事覚えててくれた!)嬉しがっていた。

「それで、それがどうかしたんですか?」

「いや、特に理由と言う理由はないんだけどな。ただ、1つあるとしたら、お前は今回の試験で使うのか?能力。」

「そうですね、、、」断音は少し考えたのち、

「今回は、能力を使わさせていただきます。それこそ今回こそは私が1番になりたいからですね。今回は貴方たちに負けませんよ。」

「そうかよ、だったら俺だって負ける訳にはいけねぇな。よし!今回はいつもより本気でやってやるよ。」

「森王がそこまで本気を出すんだったら僕もいつもより頑張って挑んでやるよ!お互いいつもよりも良い最高の記録を叩き出そう!」

「よし!今回も頑張るぞー!」

「「「おおー!」」」

こうして学年トップの3人がいつもよりも全力で挑む事が決定した。

試験が始まるまで残り3分となり、他の生徒も集まってきた。

「なぁ森王、関係ないことを指す聞くけどさ、確かお前って中等部からの編入だったよな?前の学校はどんな所だったんだ?」

「本当に関係ないことを今更聞いてきたな。うーん、そうだな、、、なんて言えば良いかなぁ、、、」そう考えていると、

「よし!お前ら全員集合したな!」教師の声が全体に響いた。

「これから実技試験を始める!また、今回の試験官はこの学校の校長が務めることになっていたが、校長は今朝休養が入り理事長と何処かへ行かれた為代わりに私が試験官を行う!それでは諸君健闘を祈る!」こうして試験はスタートした。皆が気合が入り挑み始める中黒鉄だけは違和感を覚えていた。

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平和を求めて 箱風(windobox) @Pwindobox

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