第1話始まりの日①

「キーンコーンカーンコーン…」聞き慣れた音が学校から離れたところから聞こえてきた。

僕の名前は暗岡 黒鉄。たった今遅刻が確定して絶望してるところだ。僕が通っているのは日本軍事学園と言う日本で1番有名な所に通っている。もちろん軍事学園と言うこともあり校則は厳しいし教師も元軍人が多数いる。遅刻なんてしようもんなら…まぁご察しの通りとても厳しいだろう。普通の生徒ならまだどうにでもなるような罰則だが僕の場合は、座学および実技は学園1位さらにそこに校長が父、学園長が祖父だから、、、うん、これ以上想像するのは辞めよう。しかも今日は学年末考査がある。取り敢えず学校に急がなきゃ、、、僕は車と同じくらいくらいの速さで学校に向かった。

校門の前まで来て僕は閃いた。(出席を取るまではあと5分だから、それまでバレないように教室に行けばバレないのでは?)そこで僕は今分かっている状況を整理した。

 まず正門には教師が一人遅刻している生徒がいないか監視しているその為正門からは入れない。 

 その他としてはルートとしては3つあるが、1つは一人ではどうしようも出来ない事だから除外して、一つは裏門から入るルート。

 もう一つは大演習場から3階にある教室までそのまま入室するルート。

 一つ目のルートはまず裏門に行くまでに最速で2分掛かる点そして裏門に教師がいたら終わると言うこと。

 二つ目のルートは大演習場まではそんなに掛からないが、大演習場と教室まで直線距離で75メートルほどあると言うこと。まぁ、これくらいはある程度助走を付けれたら届く範囲ではあるがただし問題もある。それは教室に教師がいた場合だけども、まぁ恐らく大丈夫だろう。さて、どっちのルートを選ぼうかそう悩んでいると、「お前も遅刻かよ相棒」となぜか少し嬉しそうにしながら黒鉄よりもおおよそ163cmの男が声を掛けてきた。

「はぁ、お前と一緒に遅刻とは変に気が合うな龍樹」と少し呆れながら呟いた。

彼の名前は森王 龍樹 中等部の時からの仲の良い奴だ。あいつと俺は頭の良さから実技の能力までそこまで差はなく、ライバルみたいな関係のやつだ。

「なぁ、黒鉄よお前正直俺らは今かなり絶望的な状況だが何かいいアイデアがあるんじゃ無いのか?」龍樹はまるで人の心を読んだかの如く僕の考えていることを言い当てた。

「ま、まぁ無いわけではないが僕達が両方ともバレずに教室に入る方法ならある。しかも僕たち二人じゃないとできない作戦なんだ。しかもデメリット付きだがそれでも良いか?」

「もちろん良いが、そのデメリットって?」龍樹はデメリットについて不思議そうに聞いてきた。そして続けて

「デメリットがなんだろうが俺はお前に着いていくだけだけどな。」と言った。

「龍樹ならそう言うと思ってたぜ。だけど僕は敢えてデメリットについて伝えない事にするよ。」僕は少し悪い顔をしながらそう伝えた。

「分かった。それで一体どう言う作戦なんだ?」

「あぁ、それはな…」黒鉄は龍樹に作戦を伝えた。そして、龍樹は作戦を聞いた瞬間、悪い顔をして「お前…天才かよ」ととても乗り気になっていた。

 そんな事をしている間に出席確認の時間まで残り3分になっていた。

「と…取り敢えず作戦に移すぞ!」教師にバレないよう小声で作戦開始の合図を送った。

 まず、学校の竹林から165cmほどの竹を3本実技で使う捕縛用のロープを使い、竹をまとめ、そのまとめたものに龍樹を繋げた。すると龍樹から「おい!聞いてた話と違うぞ!俺は竹をまとめて柱みたいにして桃◯白みたいに投げて飛んでいくって言うから乗ったんだこんなのはまるで俺がハンマー投げの重りの役割みたいじゃないか!」と龍樹が騒いでいたが俺はそれを無視して作業を続けた。

(出席まであと1分30秒よし!間に合う!)黒鉄はそう確信しハンマー投げの要領で今作った物を振り回し始めた龍樹から

「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!」と悲鳴のような叫びが聞こえてくるが気にせず校舎の屋上にピッタリ乗るくらいの場所で放り投げた。結果は大成功ここまで来たらあとは自分の教室に窓から入るだけなので大丈夫だ。

龍樹は今にも泣きそうな顔をしているが遅刻の罰則を喰らわなくて少しほっとしているように見える。

「さて、龍樹そんな顔してないで教室入るぞ俺らのとこの窓は空いてるだろうし、お前を騙した事はあとでいくらでも聞くから、ほら行くぞ。」

「お、おぅ」

結果から言うと僕達は遅刻したことがバレることはなく、教室に入る事が出来た。

よし、これでなんとかなった。

今日は実技の期末考査がある。良いウォーミングアップにもなれたしまぁ、結果からして良かった良かった。さて頑張るとするか。

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