第34話 エルフとか

 せっかくファンタジー世界に転生したのに、

 亜人というかエルフに出会っていない。

 特別エルフが好きというわけじゃないけど、

 美形と言われるエルフっていないのだろうか。


「この世界にはエルフはいないの?」


「お坊ちゃま、エルフは残念ながら伝承の中でしかおりません。亜人というか人に近い存在ならば、ドワーフが有名ですね。彼等は精霊族に分類されます。精霊族には他にも色々いるようですが、殆ど目撃情報がありません」


「えー、エルフいないの、残念。ドワーフはちょっと見てみたい気もするけど」


 この世界には精霊族のドワーフは

 数万人いるといわれているらしい。

 やはり、というか、鍛冶と酒大好きだ。

 鍛冶と酒以外に興味がないのも伝承通りだ。


 ドワーフは武器や鉄製の生活道具製造を

 一手に請け負っており、並々ならぬ存在感がある。

 特に、その国の攻撃力において

 ドワーフの製造する武器は重要だ。

 どこの街でもドワーフを呼び込み定着させるのは

 優先事項となっているのだ。



 他の精霊族としては、知られているだけで、


 水の精霊:ウンディーネ

  きれいな湖や池の湖畔に住んでいる。

  外見は美しい乙女。

  清浄な水を生み出す。

  水が汚染されると、ウンディーヌはいなくなる。


 火の精霊:サラマンダー

  外見は燃えたトカゲ。炎に暮らす精霊。

  火山にいるほかドワーフの鍛冶には欠かせない。

  炉の高熱を出すのに必須の存在である。


 風の精霊:シルフ

  美しい女性の姿をしているが、気難しい。

  清浄な空気をもたらす。


 地の精霊:ノーム

  小人。

  大地を司る。優れた細工品を作る。


 鉱山の精霊:ノッカー

  小人。

  鉱脈を取りすぎると怒る。いたずら好き。


 これらはほとんど目撃情報がなく、

 実際の生態は不明である。

 伝承によれば、

 善人には福を悪人には不幸をもたらすとされる。


 他に、神の御使い様と呼ばれる一族がいるらしい。

 これも情報がなく、一切が不明であるが、

 伝承によると大蜘蛛の一族であり、

 森に迷い込んだ人間を捕食すると言われている。

 無論、恐怖・畏怖の対象である。



 また、妖精ピクシーと呼ばれている

 普段は透明な小人の集団がいる。

 洗礼を受けずに死んだ子の魂の化身とされ、

 主に貧しいものの味方である。

 いたずら好きであるため、

 森の中で彼等に出くわして迷子になることがある。



 これも伝承であるが、

 この世界の創造主はドラゴンであるらしい。

 天界に住んでいる。


 天界には神々が住んでいる場所だ。

 中心となる神が11柱がいるとされる。


 地の果てには大亀が地上を支えているとされる。

 あまりにも荒唐無稽で冗談にしか聞こえないし、

 信じている人はいない。



 天界に住まう神々と大亀12柱は

 この世界の信仰の対象となっている。

 イスタニアン教会が有名だ。

 ジョージャン王国の国教はジョージャン正教だが、

 これはイスタニアン教会の流れを汲んでいる。


 次は天界に住まうとされる十二神だ。


 ゼロス    男神 太陽神

 ジュノー   女神 月神

 ウェスタ   女神 家庭の神

 テスモポロス 女神 農業・豊穣の神

 エナリオス  男神 大地と海の神 別名大亀様

 バルカン   男神 鍛冶の神

 マールス   男神 闘いの神

 ヘルメス   男神 商売の神

 アプロス   女神 美・芸術の神

 アルテミス  女神 狩猟の神

 ブランディーヌ女神 清浄の神 

 ピオス    神男 知恵・医学の神



 天界に対抗する形で冥界・魔界も存在するという。

 ダンジョンが実在するんだから、

 冥界・魔界があっても不思議ではない。

 冥界・魔界には、

 悪魔とされる魔物が多数生息しているとされる。


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