第16話 10歳、色々難しい魔法を覚えた2

「おおお、これが本当の飛行魔法か!速いし!全然疲れないぞ!」


 転移魔法取得とともに、

 バージョンチェンジしたのが飛行魔法。


 前のは風魔法の応用だった。

 しかし、今はれっきとした空間魔法。

 随分と燃費がよくなったし、

 飛距離もスピードも格段に向上した。


 多分、飛距離は500kmぐらい。

 スピードは時速200kmぐらい?

 つまり、かなり速い。


 それと安定度が格段に向上した。

 前の風魔法の応用では非常に危なっかしくて、

 フィアがいつも心配していた。

 だから、長時間飛行でも疲れない。

 魔力が枯渇しても約2時間で魔力が回復するから、

 半径500km以内ならば、十分日帰り可能だ。



「フィナ、なんなら帰省時に実家に送ってあげようか?」


「お坊ちゃま、何度も言いましたけど、私、飛行魔法は絶対にムリです!」


「おにいさま、私も空を飛びたい」


 セリアを連れて空を飛ぶと、

 彼女はキャーキャーいって喜んでくれた。


 勿論、隠蔽魔法をかけて発見されないように。


「(でもさ、隠蔽魔法に転移魔法、飛行魔法。いつでも城から出ていけるよね?)」


 ただ、僕1人だけの話じゃない。

 直接的にはアルベルトやフィーナの処遇もある。

 妹も勝手に連れ出すわけにはいかない。

 許可が必要だろう。

 必要かな?



 発動したのはそれだけじゃない。

 マジックバッグ。

 転移魔法もマジックバッグも原理は似ている。

 両方とも空間魔法で亜空間を利用した魔法だ。


 最初は普通のバッグ程度でしかなかったけど、

 すぐに中身無制限?と思えるような

 広大な容量のマジックバッグを作るようになった。


 鹿の皮のなめし方をランベルトに教えてもらい、

 見栄えも上等なマジックバッグを3つ作った。

 2つはランベルトとフィナ用だ。


 ランベルトにはバックパック状のものを

 プレゼントした。


「ありがとうございます。商売人だけじゃなく、冒険者も喉から手がでるほど欲しいマジックバッグ。極めて高価なものを頂き、感謝です。しかもえらく実用的なデザインですな」


 このバッグの形状は真似する人が出てきて、

 後年、王国庶民の標準的なバッグになる。


 フィナには希望を聞いて、

 斜めがけもできるショルダーバッグにした。

 斜めがけは盗難防止にも大切だ。


「お坊ちゃま、上等な鹿の皮で作ってあるから、お買い物が楽しみです!」


「2つとも盗難防止用に盗難防止魔法と追跡魔法をかけておいたよ。本人以外は利用できないはず」



 マジックバッグの容量が広大なものだから、

 亜空間に入れないか試してみたが入れなかった。

 レベルが上がると入れると、

 古代魔法書には書いてある。


 ちなみに数年後、亜空間にも入れるようになり、

 そこにリビングセット一式を持ち込んだ。


 魔法の練習もそこで行えるといいのだが、

 それにはやはりレベルの向上が必要らしい。

 古代魔法書にそう書いてあった。


 それに、マジックバッグの中に入っても

 時間が止まるってことはなかった。

 無生物の場合は時間がとまるんだけど、

 僕の場合とは理が違うようだ。


 マジックバッグの中は一種の亜空間。

 その中で、僕の周りだけ人の生存できる

 普通の空間ができるようだ。

 なお、僕以外には入れない。



「へへへ、毛虫に変身してやったぞ!」


 他に便利な魔法は変身魔法。

 変身できるものは限られる。

 好んでるものには変身しやすいみたいだ。

 猫とか。


 あと、何故か毛虫とか。

 僕、小学生のころ昆虫博士だったから。

 これでフィナとかを驚かせてやりたいんだけど、

 反撃食らうと不味いから自重している。

 だって、防御力とかだだ下がりになるから、

 ホウキ一発で潰される気ががするんだ。


 なぜか、他の人間に変身するのは上手くいかない。

 少し人間不信ってのはあると思う。

 周りで信用できる大人って、ランベルト、フィナ、

 母方のお祖父様一家、それぐらいだもんね。


 別人には変身できないけど、

 僕の親戚程度の変身は可能だ。

 僕に似た誰かってこと。

 嫌だけど、父である王とかはいけそうだ。

 でも、次男あたりだと顔が違いすぎてムリっぽい。

 試したことはないけど。


 まあ、次男は性格の悪さが顔に出ている。

 それを真似するのはちょっと難しいと思う。



「これで街を歩いても大丈夫かな?」


 街を出歩くのがぐっと楽になったような気がする。

 今までは顔を汚したり、汚い服を着たり、

 服の中に綿を詰めたり、

 そんなぐらいしかできなかったから。


 ただね、上流階級であることは変えられない。

 どうしても育ちの良さがが出てしまうのだ。

 育ちの良さって日常生活ににじみ出るからね。

 それこそ、歩き方一つでも違ってくる。

 そういう躾がなされるし。



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