第13話 エルフの村
ディアナの丹田に魔力を流し込んでみたら、即座に絶頂を迎えた。今までも散々乱れていたし、前回以上に効いた。
やはり魔力の使い方が馴染んできたこともあるのだろう。
まあ、彼女の方が開発されて来ているだけの可能性も否めないが。
その夜は久々にぐっすりと眠れた。
「あ、起きた?朝飯を摂ったら、出発しようぜ。」
「あ、・・・はい。」
さらにしおらしくなったのは不思議だったが、ディアナは特に何も言わないので、そのまま出発した。
森を進む彼女の後姿は、いつも以上に見つけづらかった。
やっとこさエルフの村に着いた。厳密に言うと、だったところだ。
エルフの村は木々と共にあったのだろう。地上だけでなく、樹上にも小屋のようなものが散見される。
しかし、壊滅状況が不自然だ。戦闘の跡はなく、平穏な日常から人だけが居なくなったような不気味な静けさだけがある。
人間が恐怖を抱くときは、あるはずのモノが無いとき、とはいうがまさにその典型である。
「・・・うそ、なんで?」
しかし、ディアナは強かった。
「とりあえず、生存者を確認しよう。」
「分かった。魔力で探せばいいか?」
頼む。絶望の匂いがする。彼女の勘ではいないという確信があるのだろう。
「!歩いて5分くらい向こうに、なにかがいる。魔力の色は君より俺に近い。」
「分かった。それは多分敵の可能性がある。魔力の色か、我々には分からない感覚だ。それもまた鏡魔法なのかもな。」
二人して、また森に入る。今度は索敵だ。
俺が先導する。鏡魔法の使い手は、その魔法の性質上、魔力への感知に長けるのかもしれない。
藪をかき分けて進んでいくと、湖畔が現れた。
「嘘!?こんなところに湖なんてなかった。」
小声ではあるが、驚きが隠しきれていない声だ。対岸はぎりぎり見えるくらい。この星が地球と同じ大きさか知らないが、水平線は4㎞先だとすれば、対岸まで3㎞はありそうだ。
「いつぞやの雨で増水なんてことはないよね?」
「さすがにない。こんなことは初めてだ。聞いたこともない。」
300年単位でこんな天変地異が起こるのがザラなんてご遠慮願いたい。
「エルフェンイェーガーか?」
背後から声がした。低い、冷たい声だった。
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