BD発売インタビュー

 「名刺代わりに、僕の覚悟を。」

という大見出しやインタビューにもある通り、初のソロライブ「Ryushen」は、緑仙の覚悟と、改めての自己紹介を体現したイベントだった。

 加えて、ライブについてのインタビューも、「自分はこれから本気で音楽をやっていく」と、記事を読んでいるファンや、まだ緑仙を知らない人へ向けての強いメッセージを伝える内容だった。

 ステージに立つと感じるファンの存在や、自分が思い描いているライブの演出について。いつ声がかかってもいいように、常日頃から準備する姿勢。リスナーだけではなく、音楽関係者の目も引くようなコメントがいくつもあった。


 Vtuberならではの街中ゲリラライブ、すごく面白い考えだと思う。ほかにも、これはライブの案ではないけど、店内モニターでVが商品の宣伝をしている映像を流す。でも実際は演者がリアルタイムで配信してる映像で、モニターの前に立ち止まった人にいきなり話しかける…とか。バーチャルの存在だからこそ実現可能な面白いことは、まだまだたくさんありそう。


 雑談やゲームなど、音楽活動じゃない部分の緑仙が好きな人に向けてのメッセージ。「音楽はいつでもどこでも聴けて、人を救うことができる」。

 

 音楽活動に本気で取り組もうと思ったきっかけや考えは一つや二つではないだろうけど、ひとつはインタビューでも述べている「人を救うことができる」。これは、他でもない緑仙自身が、これまでの人生で音楽にたくさん救われてきたから出てくる言葉で、かつ「これからは自分の音楽や歌で、だれかの力になりたい」という考えに至ったから。ライブ中のMCでも、緑仙が口にしていた。

 それに、音楽はより直接的に、自分の表現したいことや感情、メッセージを伝えることができる。リスナーは音楽を自由に手に取ることができるし、解釈ができる。音楽は、聴いている人の心に寄り添うことができる。


 緑仙自身によるセトリ解説、面白かった。ライブの振り返り配信やブルーレイの副音声でも触れていなかった話題もあったし、何より、どういう気持ちでその曲をセトリに入れたのか、歌っている時どんな感情だったのかを知れた。また、その解説を、自分が映像を観ていて感じたことと比較することもできる。

 藍ヨリ青クとかエンダーに対して抱いていた気持ちとか。ロウワーのコメントが短いな、とか。ラブヘイト、レイドロメンバーとしての思い。ぼろまるさんと作った曲への思い入れ。歌詞には書かれていない、言葉にしないと伝わらないこともある。先生と一緒に作ったオリジナル曲の振り付けは、感想を書き直す時に、改めて注目して観ます。

 それにしても、リハと本番合わせて42曲も歌ってるのは、やっぱり歌うのが好きじゃないと出来ない。ただ「好き」なだけでも簡単にはいかない。


 髪色を変えること。髪色は見る人の印象を大きく変える。これはもちろんそうだけど、今までの緑仙と付き合ってきた人たちは、より一層印象の違いを感じたのでは、と思う。それはファンも、当然緑仙自身も。5年身につけていたトレードマークを変えるのだから、その決断をする覚悟の大きさは、活動者自身が1番自覚しているはず。髪色、新衣装、活動方針など、さまざまな面で「変化」や「覚悟」を表現するライブ、およびインタビューでした。


 ここから先は余談。緑仙の話を聞いている時、いつも意識していることがあって、それは「どこまでが本音で、何を隠しているのか」。ライブのインタビューを読んでいる時も、配信を見ている時も、ラジオを聴いている時も、Xにポストされた文章を読む時も。返信が遅い時は、だいたい発言の意図について考えている時。

 この間の麻雀大会後のメン限配信で「緑仙というより緑さんだった」と感じたのは、そうやって本音と建前を見分ける意識が薄くなっていたから。麻雀を教えている時、鬱陶しい営業電話の話をしている時、特にそうだった。余談おわり。

 


 

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