ラブヘイト
・ラブヘイト
「この曲を歌うかは最後まで悩んでギリギリ入れた」「レイドロの活動は僕の音楽活動の一部だから」と話していた振り返り配信。
「レイドロでの経験があったから堂々とステージングができる」
「僕とファンとメンバーとの関係性を考えた時に、1番しっくりくる曲」
「ソロになっても、『向こう側』ではなく『こちら側』にいるよ」
とインタビューでは話していた。
配信者として活動する側の人が歌うには、赤裸々でまっすぐなロック。他の曲と比べて、ステージ上での振る舞い方も、少し違うように見えた。堂々としてたし、笑顔の瞬間が多かった。
配信者に対する、どこかにいるはずの一視聴者の気持ちを歌った曲だと思っている。けど、そうじゃない見方もできるのが良い。
「退屈蹴っ飛ばしても 当て所もなくて
ため息転がってった My story, It's nothin'
空を見た
放課後のボールの音 ぬるい笑い声
ヘッドフォンで塞いだ I'm sorry Feel lazy」
こういう毎日を送る人はたくさんいると思う。退屈だけど、何かやりたいことがあるわけでもない。友だちと話すこともなく1人でいる。
「繰り返す Life goes on and on
でも出逢ってしまった
僕の単調なリズム
光射しプリズム 目を奪われる」
自分の場合は2時3時だったけど、配信者の存在は、変化のない日々を送る人間にとって、新しい出会い。世の中にはこんなに面白い人がいるんだ、そう思わせてくれる。
「あなたは結局 向こう側のひと
僕とは違うんでしょ?
近づけば翼さえも溶かされる太陽さ
羨望といたたまれなさの雨に打たれ続け
それでもWhy?あなたを追いかけてしまう
痛いくらいに大嫌いだ」
人間的な魅力に溢れてる配信者には、たくさんの視聴者、ファンがいる。退屈な日々を送る自分の生活にとって光みたいな存在だけど、そんな生活をしている自分とは住んでいる世界が全く別のように感じる。
眩しすぎる相手を前にして、憧れと劣等感の雨に打たれるような気持ち。だけど、追いかけてしまう。劣等感が強くなって、心が痛くても、憧れが嫌いに変わっても。
「誰かに誤解されても 間違ったほうに
理解されるよりは My story, It' nothin'
まだいいや
距離感には敏感で 傷つかないように
無難さを装った I'm sorry Feel lazy」
「このまま Life goes on and on
でもあなたが笑うと
僕のモノクロの世界
赤い花の色彩 微笑み返す」
自分の意見を曲げたくはない。そのせいで「こいつ嫌なやつだ」と周囲に思われるかもしれないけど、間違った人物像で理解されるよりはいい。
他人との距離感には気をつけて、摩擦が起きないように無難に生きてる。
冴えない人生だけど、あなたが笑うとそんな世界が変わる。
2番のA、Bメロの歌詞は、視聴者の視点としても、配信者の視点としても受け取れる。両者は遠いようで、似たところがある。
「あなたは結局 向こう側のひと
似てるように見えても
誰からも愛されて求められる太陽さ
嫉妬ごころとやるせなさの雨に打たれ続け
それでもWhy?あなたみたいになりたい
大嫌いで大好きです」
たくさんの人に見てもらって、コメントをしてもらえるあなたに嫉妬を抱くこともあるけど、憧れの存在であることに変わりはない。近づけば焼かれてしまいそうだけど、自分のことを照らしてくれる太陽だから。大嫌いだけど大好き。
「悲しみや(あなたにも)
つらい過去(そうきっと)
言えない悩みさえ 心隠し
今を生きる(あなたに)
惹かれてる(もう待てない)
あなたが差し出した腕を掴み
僕は走りだしてた!
I know, you're the same as me」
自分にとって眩しい存在のあなただけど、自分と同じように悲しいことや、さまざまな経験をして、悩みを抱えながら生きているのを、あなたをよく見ているから知っている。それが自分があなたに惹かれる理由だ。
「それでもあなたに見つかるように
サナギは強く手を伸ばすの」
藍ヨリ青クと同じく、ミカヅキにも、手を伸ばす描写がある。今度その手を掴むのは、自分自身以外の誰か。
「あなたが差し出した腕を掴み
僕は走りだしてた!」
「あなたは結局 向こう側のひと
僕とは違うけど
眩しくて どんな闇も照らしてく太陽さ」
あなたは向こう側の人。僕とは違うけど、自分にとって太陽みたいな人だ。
自分とは違う立場にいる人だと認めつつ、肯定する。りゅしぇんは「僕もこちら側にいるよ」と言ってくれる。どちらの考え方もあっていい。
「照り返す月のように僕は語りはじめていた
これからのStyleあなたと一緒に飛ぶよ
大嫌いで大好きです」
太陽に照らされる月のように。ミカヅキを歌うりゅしぇんも、誰かにとっては太陽なんだと思う。
ファンの人たちと同じように、雨に打たれ続けるステージ上のりゅしぇん。客席に手を伸ばして、いつもより頼もしく見えた。
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