聖槍爆裂ボーイ
・聖槍
アイディスマイルから雰囲気を一転させて、ここからしばらくロックフェスの空気感。その一曲目。「この曲はすごく難しいのでー!」という、わりと前代未聞のMCを挟んで始まり、尻もちをついて終わったセトリ。スモークも噴射して、緑仙もぴょんぴょん跳ねて、お客さんもペンライトを振り回して。とても盛り上がって、ノれる曲。
ネタ寄りの扱いを受けている曲だけど、音のかっこよさは間違いない。性的な歌詞を下ネタと捉えるか、エロと捉えるかで、印象がだいぶ変わると思う。
ステージ上は赤と青、白の照明でギラギラ照らされる。赤、青、白のsunshineからイメージした演出。
スクリーンの映像もスタイリッシュでかっこいい。「君の性、僕の性ので手からリンゴを落とすのとか、トンネルを抜けていくサビの映像とか。
レーザーライト、スポットライト、あらゆる照明がステージだけじゃなく会場中をビカビカに照らして、「この曲で盛り上げる」気合いを感じる。
「遠い夏の思い出」のパートのラスト、決めのロングトーンでミスった感じになってたけど、音は間違ってなかった。バックバンドの演奏を聴いた感じだと、ロングトーンを補助するような和音も特に鳴ってなかったから、仕方ないのでは、と思う。原曲の段階で、けっこう謎のロングトーンでもあるし。
この曲はカラオケに行って歌った時に、最大限の魅力を発揮すると思う。なぜなら歌っていてめちゃくちゃ気持ちいいから。出しづらい高音がサビに配置されていたりもしない。
歌ってて気持ちいいと思う箇所は、
「0.02mmの壁がすげーもどかしくなって
真っ赤なmy sunshine すぐに入れたくなるのは君の性
いいじゃーんとかそんな気分で迎えた君と僕
そんなヘブンで
あ、しまったって思ったって もう遅い」
「0.02mmの壁がすげーもどかしくなって」は、何もない状態で歌詞だけ読むのと、演奏に乗って歌うのでは、言葉のリズムの心地よさが全然違う。
「いいじゃーんとか〜」から始まる後半部分も、言葉を連打して発声するのがとても気持ちいい。ただ、少しでも躓く(つまずく)と、後ろの歌詞が全部詰まって崩れてしまうから、緊張感もある。ライブで目立ったミスなく(ロングトーンは仕方ない)、この曲を歌い切ったのはすごい。気合いを感じた。
インタビューでも触れていた「過去のライブでラップ曲を噛んでしまった」のを、しっかりリベンジしたんだな、と思った。緑仙の負けず嫌いな部分。
この曲を歌っていて気持ちいい部分その2、盛り上がるラスサビ。
それまでのサビのメロディから派生して、より高い音で畳みかける構成。歌っていて楽しいし、聴いている方も「きたきた!」という気持ちになる聴かせどころ。
ラスト、締めの音の連打。緑仙もノリノリで宙を叩く動き。深くは言及しないけど、最後の最後に「ボカーン」と爆発音のSEを入れてくるあたり、やっぱりこの曲はネタ曲なのかもしれない。
YouTubeでいくつか歌ってみたを聴いて思ったのは、この曲をカッコつけて歌う難しさ。マジとネタの境界が危うい曲だから、変なカッコつけ方をすると、急にカッコ悪く聞こえてくる。そういうパターンの歌ってみたが結構多かった。
緑仙は淡々と歌うパート、盛り上がるパート、変化をつける箇所、それぞれ変にアレンジし過ぎず、でも単調にならないよう歌っていたのでよかった。シンプルに歌唱力の高さで魅せた曲だった。
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