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インタビューで「初めてバズを感じたカバー」と話していた曲

自分を知ってくれる人が増えた、それで思い入れが強い。自分という存在が一気に多くの人間に認知される、名が知れ渡る感覚が印象に残ったんだろうなと思う


原曲のイラスト、制服の子が座り込んでぬいぐるみの口を縫い付けている姿。周りには他にもぬいぐるみが転がっていて、縄で吊ってるものもある。

落ちてる写真や顔の絵にも、口にバツが付けられてる。歌詞にある「不憫な私の世界を笑う化け物たち」への小さな反抗で、人形を吊るすのは相当の怨念を感じる。

座っている子の表情は見えない。聴く人によって想像する表情は違うはず。鬼みたいな顔か、全くの無表情か、泣いてるか、もしくは笑ってるか。


曲のテンポはゆったりで、DJのスクラッチから始まる。歪んだギターの音色が気怠そうで、でもかっこいい。ラップみたいな歌詞はどこまでも哀れな自分と世の中への憎しみが連ねてある。

けど、曲中でボーカルの高音が連続するようなパートは無く、全体を通して落ち着いた曲調。胸の内を淡々と語るような感じ。


ライブだと、濃いオレンジの照明で夕暮れ時みたい。曲のビートに合わせてじんわり揺れながら歌ってる。振り付けもないから、髪やアクセサリーがゆらゆらと揺れていて、照明も相まってきれい。

原曲よりピアノ(シンセ)の音色が目立っていて、だいぶおしゃれに聴こえる。あんまり暗く感じない。


「残酷な事に幾許年

化け物の姿を引きずって生きてた

生まれ変わるなら人並みの

幸せを与えて下さいなって

ずっと ずっと

地を這って砂を噛んで反吐を吐き続けて

不幸な自分に酔いしれて

ぶちまける歪み切った自己顕示欲」


ここまで救いがなくて、自己嫌悪にまみれた歌詞は、あまり聞いたことがなかった。

「地を這って砂を噛んで反吐を吐き続けて」

コミュニティの最下層で苦い経験ばかりで不平不満ばかり口から出てくる様子が想像できる。


「出会い頭の正面衝突の様な

不幸が私を襲う

悪いことなんて何もしてない

けど生きてる事自体が罪なのかもな

きっと きっと

未来は明るくて幸せなんだと

そんな妄想に逃げてたら

現実に戻されて周りは敵で

悪夢に変わった」

出会い頭の正面衝突、自分じゃどうすることもできない理由で遭う不幸

生まれ持った資質によって、例えば容姿とか、性格とか。人を攻撃の的に選ぶ理由なんてきっと何でもよくて、自分たちの不満をぶつける相手がいればそれでいい。だから大半の人間は集団から外れないように、周りの様子を伺って生活する。

「お利口さんな生き方の為に

犠牲になって 案山子になって」


「生きてる事自体が罪なのかもな」これがこの曲で1番辛い歌詞だと思ってる。緑仙の歌ってみたでも、この部分の歌い方が印象に残ってる。基本平坦な音の動きをするこの曲中で、泣きそうな、けど泣かないように強がってる人の声に聴こえる。

ライブだと、「未来は明るくて」の言い方が、いつかきっと良いことが訪れることを期待している感じがして、印象的だった。


「不憫なこの世界中を壊せ愚か者達よ

何もかもが嫌になる前に」

自分の不幸を嗤う化け物たち。自分にとって一番憎い奴らだけど、1人では何もできない、対抗なんて無理。だから、そんな奴らに「もういっそ、この世界を壊してくれ」と願うしかないのが、皮肉で、悲しい。


しっとり聴かせるセトリだった。暗くて攻撃的な曲だけど好き。

動画(というより音声)は、文章だと伝えづらいこの曲の好きなポイントの説明です。歌ってる部分音大きいかも、注意。気が向いたら見てください

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