失楽ペトリ

🗼の次のセトリで、インタビューにもあったとおりかっこいい曲。

不倫された仕返しをする様子の歌詞(身も蓋もない言い方)で、細かく変化するリズムやフラメンコの要素、言葉選びが特徴的な歌詞など聴きどころたくさん。ライブだと、ダンスや照明、歌い方でもともと曲が持っていた良さがより際立ってる印象。


「あっちの方に罠がある

かかってあげなくちゃ

困ったフリをして

言え・言え・言え・言え」


耳に残るのは「言え・言え」のフレーズ。原曲でもこぶしを効かせているけど、緑仙はそこだけじゃなく、全体的にこぶしを使っている。音程の変化に対して自然に、効果的に。曲を通じて太い声の出し方をしていて、特に「言え・言え」のフレーズで力強さが目立つ。かっこいいし、心地いい。

ステージ上だと、この「言え・言え」部分にあたる歌詞の時に、照明の色が赤→青と変わり、また白に戻る。特徴的なフレーズが視覚的にもより強調されている。


「甘いものは果実

苦味の中に恥

踊ってみるだけさ

イェイ・イェイ・イェ」


YouTubeのコメントにアダムとイブの逸話がモチーフとして含まれているのかな、という指摘があったけど、この「果実」はまさにそれだと思う。

「言え・言え」の部分は「イェイ・イェイ」に変わっていて、曲中にまた別の言葉に変化する。棘とユーモアが合わさった言葉遊びで面白い。


「絡まってほどいてが人生だ

本気じゃないからどうなんだ

あんたの倫理じゃどう思う?

聞こえたぞ」


ダンスもパートが移って、印象的だったのは「聞こえたぞ」で、手で身体を隠す仕草。アダムとイブの逸話に通じる「全裸を恥じた愚か者」という歌詞もあるから、それをイメージした振り付けなのかな、と思う。


この曲の歌詞は、不倫もしくは浮気をしている女性が1番に登場するから、「本気じゃないからどうなんだ、あんたの倫理じゃどう思う?」と女性側が言ってるのは違和感があるけど、2番で夫に不倫された復讐としての行動だとわかる。面白い仕掛けだと思う。


他にも、この曲はAメロ中にドラムのリズムパターンが変化する。Bメロのフラメンコ調のリズムが目立ちがちだけど、細かなリズムの変化で聴いてる人を飽きさせない構成がいい。


「ルールを破らずにゲームを

嘘つきにヴェールを

すれ違うようなものだと過ちを」


前述のとおり、リズムやギターのフレーズがフラメンコ調に変化する。ダンスも、フラメンコからインスピレーションを受けた振り付けに見えるけど、どうなんだろう

この曲で印象的な部分(たくさんある)、Bメロからサビへの間に挟まる「ドン」

ステージでもAメロの「言え・言え」と同じく、照明の切り替えでより強調されてる


「亡者の培養列島 この世は失楽園」

亡者の培養列島という、めちゃくちゃ強烈なフレーズもあるし、原曲のMVでも頭に残る「失楽園」の3文字、そして特徴的な字体

ステージのスクリーンにもばっちり再現されている

「失楽園」のフレーズに合わせて、手首をくっつけて手を宙に上げるポーズ。手首をつけているのは、罪人をイメージして、手錠をはめている様子を表しているのかな、と思った

曲中に何度もある手をくるくる回す振りもリズムに合ってる


曲が持っているかっこよさと緑仙のかっこいい声質、ステージの演出が合わさって、もっともっとかっこいい出来栄えだった


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る