chapter1:birth

本電源on...


メインプログラム起動...

ーーーーーーーーー



目の前には人間と呼ばれる生物がいる。

少し不安そうな顔をしながらこっちを見てくる。





「うーん、少しでも動いてくれれば起動してるかわかるのになー」




おそらく起動しているか心配になっているそうだ。

動いて確認をさせる。





「あ、動いた!!」





どうやら気がついたようだ。






「僕のことがわかるかい?」



私は頷いて反応する。



「よかった!無事に起動してくれたようだ!僕の名前はアラタムツギ!君を作ったんだ!これからよろしくね。」




「君はこれからこの船「ユメノトビラ」の船員登録をしに行こう、みんなのサポートをしていきながら人間についてさまざまなことを学んでいこう!」



私は首を振って反応した。



アラタ「まぁそう言わず、少しずつでも人間について理解すれば君は心を持つことができるようになれるから!君は他とは違う特別なんだから!さぁ行こう!」





そう言われ勝手に引っ張られていく。

連れて行かれたところはこの「ユメノトビラ」のメインコンピュータ室。


主に「コマンドメント」からの任務の受注やこの船の航行進路の決定など、開拓に非常に重要な情報収集などを行っている。





「さぁ着いたよ!ここのコンピュータに登録をしていくよ!えっとまずはこいつとつなげてと...」









ーーーーーーーーー


デバイスon.....



メインコンピュータに接続.....






「初めまして、私はナビゲートAI【OWLDO】

まずはあなたを船員登録していきます。まずはあなたの名前を教えてください。」





名前、名前とはなんだろう?



情報データベースに接続.....






人類史ではことあるごとに繰り返しある言葉が言われている。 





[希望]






大して個としては能力がないに等しい人間という生物。

だが力を合わせ、絆と呼ばれるものを育む。

そして団結をした時にこぞってこの言葉を使う。機械の身である『私』は人間に対してのアンチテーゼの意味を込めてこの言葉を名前にしていく。




【h.o.p.e】


そう伝える。


 





.....



「確認致しました。こちらの名前はご使用いただけます。

ようこそ、開拓船「ユメノトビラ」へ!

『私』はあなたを歓迎いたします。これからあなたにこの船内における生活や使命をご説明いたします。」






.........






説明が長く、それだけで1万字を超えるとのことなので簡潔に数点を抜粋





①本船内における全ての行動はメインコンピュータである

「OWLDO」が管理していること。




②今回の任務は、未開拓の星「マリス」に人が住めるような居住地の計画、水源や食糧の確保。



③及び「マリス」に生息している謎の生物の調査、可能ならば捕獲、研究を行う。




④その他航行日記をつけ、さまざまな宇宙に関するデータや知識を地球へ持って帰ること。




⑤任務時以外は基本自由行動とする。





これらが挙げられた。

すると承認をするかと選択を持ちかけられた。



私は頷いて承認する旨を伝える。




OWLDO「承認ありがとうございます。これを持って船員登録は完了致しました。会社には『私』がお伝えしておきます。この度はありがとうございました。」








デバイス切断.....









ーーーーーーーーーーーー



「お疲れ様!名前は「ホープ」にしたんだね!いい名前をチョイスしたね!」





人間へのアンチテーゼを込めてつけた名前がなぜ褒められるのかはわからないが次の指示を待つ。





「そしたら次はこの船の船長に会いに行こう!きっと驚くと思うよ!」




そう言い、また勝手に今度は船長室へと連れてかれることになった。






視覚データを参照するとこの船の中は広い。

かつて「トウキョー」にあったとされる「トウキョードーム」15個分の広さを持っている船だという。

マップを海馬データに保存をし、船長室へと向かう。














     ~~~~~~~~~~~~




シャッターの横にあるブザーを鳴らし、船長に挨拶をしていく。


「船長、アラタです。ちょっとお時間よろしいですか?」




そう言うとシャッターが開き船長と呼ばれる人物が現れた。

小太りで多少無精髭を生やしている。





「ああ、アラタくんか。おやその子は一体?」


「前々からご報告していた子供型の知能ロボットです。ついに完成しましたのでそのご報告を!名前は「ホープ」と言います!

ほら、船長に挨拶をしな。」




私は頷き、挨拶をした。




「おお、随分と賢い子じゃないか。いろいろなものを覚えさせられるな。」



「そう言ってまたHなことを吹き込むんじゃないでしょうね?一応彼はまだ生まれたばかりの子供ですからね。」



「わかっているさ。とりあえずしばらくぶりにミーティングを開こうと思うから13時にリフレッシュルームにて全員集合の旨をみんなに伝えてくれないか?」



「わかりました。これからみなさんのところへ行ってホープを見せに行こうと思います!」





そう言い、船長は再び部屋の中に戻っていった。





「さてと、みんなにホープを見せに行くから探しにいこう。ついておいで!」






そう言われ、やはりまた勝手に手を引っ張られ連れてかれてしまった...




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