第7話 一息ついた後の騒がしさ
「フラン、落ち着いて食べないと」
「あっ、ごめんなさい」
たくさんあったはずのご飯があっという間にフランが食べてなくなり、マオが呆気に取られつつ、ソファーにこぼれ落ちたご飯を拾う。ログは二人のやり取りを見ず窓から外を見ている
「二人とも、午後の授業が始まるから、そろそろ学園に戻らないと」
フランが最後に残ったデザートを食べ終わるのを見届けた後、マオも窓を見ながらそう言うと、ログが面倒そうにため息をついた
「今から午後の授業ですか?」
「そうだよ。魔力の回復が必要だから午後はゆっくり始まるんだよ。二人とも入学説明で聞いたでしょ?」
「ああ、そうだったかも」
はぁ。とまたため息をつきながらログが返事をすると、マオがニコリと不敵に笑った
「午後の授業は、ちゃんと出るんでしょ?」
その言葉とマオの顔を見て、ログの表情が少し強ばる。二人の様子をフランが交互に見て戸惑っているとマオがフランを見てフフッと笑った
「まあログはフランがいるからね、授業なんかに出なくても成績は良さそうだけどさ」
「そうなんですか?」
「ずっと使い魔を出せるなんて、この学園に多分いないよ。街を歩いていもあまり見かけないでしょ?」
そう言うとまた窓から外を見て街を歩く人達をしばらく見ていると、いつの間にかフランが注文していたデザートが届いた
「マオさんは使い魔を呼ぶのは無理なのですか?」
「そうだね、ずっと一緒にいるのは無理だね。だからログはフランっていう可愛い子がずっといて羨ましいよ」
口一杯にデザートを頬張るフランの頭を撫でる。ピンク色の長い髪の毛がグシャグシャになっても気にせず食べるフランと、それを見て余計に撫でてグシャグシャにするマオを、ログがちらりと見てすぐ窓から外を見た
時、グレニア学園の生徒らしき人達がバタバタと急いで走っていた
「それじゃあ、学園に戻ろっか」
ちょうどデザートを食べきったフランを見て微笑みながらマオがそう言うと、フランは心配そうにログを見た
「さすがにちょっとは出ないと怒られるからな」
「えー、誰に怒られるの?」
と、マオが不思議そうに聞くと、ログもフランも返事はせず、マオが首をかしげていると、微かにチャイムが微かに聞こえてきてきた。同時に、また学園の生徒らしき人達が、バタバタと騒がしく走っているのが見えて、マオが椅子から立ち上がりログの腕をつかんで少し強めに引っ張った
「私たちも急ごう。歩いていたら間に合わないから、私の魔術で一緒に行こう!」
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