第7話 敵増援のカラクリ
「おお、これは中々。」
漆原がよそ見しながらも怪人を倒しているその目線の先にはヒーローとワニ怪人の姿。
まるで長年の相棒のように息のあったコンビネーションで怪人を倒していく。
和崎君は正気に戻ったから戦闘も無理かと思ったが体が覚えているらしい。
自分の体をよく理解しつつ、怪人を薙ぎ倒すように頭、腕、足、尻尾を使い、パワフルな
戦いを見せている。
それに対応して赤井君の動きも精練されている。
この勢いなら2人に任せても大丈夫そうだ。
なら、自分は奴らの元を断つ。
戦いながらも目を閉じ、耳に集中する。
そんな状態でも的確に敵を倒し、その耳に違和感を感じる音を捉える。
「そこか。」
一見すると何もないような空間に思える場所に対し、漆原は飛び込みつつ、飛び蹴りを放つ。
すると、その足先に何かを捉える。
バチッ!
当たった部分から火花が立ち、周りに変化が起きる。
火花が散ったのはカメレオンのような怪人の腰に付いたベルトの中心。
カメレオンの迷彩能力を周囲にベルトを通して、拡張していたようでそれが解除されたことでカメレオン怪人の後方に怪人達が出てくる空洞が現れた。
漆原は空洞から出てきた先頭にいる怪人を空洞内へと殴り飛ばす。
殴られた怪人は後に続く怪人達をドミノ倒しにしながら奥へと飛んでいき、空洞の入り口に誰もいなくなったことで空洞の入り口が自動ドアののように閉じていく。
それ以降は前にたっても入り口が開くことは無くなった。
条件がないと開かないドアのようだ。
そして、条件は・・・。
ちらっとカメレオン怪人を見る。
ベルトが見事に破壊され、ベルト越しの痛みに呻いている。
「こいつは目印でもつけておいて、今、ここにいる連中を片付けるとしよう。」
増援がなくなり、3人が協力したことで数分後には怪人達は無力化されたのだった。
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