第6話 量産怪人の襲撃と和崎参戦
「こ、これは。」
「まあ、予想はしていたが。」
目の前では腕だけでなく、体全体が変化、服を突き破り、ワニ怪人へと変化していく。
姿形はワニ怪人ではあるがその瞳には理性はなく、口からは涎が垂れている。
「和崎君と違って、理性はなさそうだな。
赤井君、変身を。」
「は、はい!変身!」
赤井君がベルトに手をやり、決められたポーズを取るとベルトから光が溢れ、赤井君は赤スーツへと変身する。
それと同時に倉庫内に新たに気配が出現する。
それはとかげ、イモリ、蛇などの頭を持つ怪人達。
「変身した途端にこれか。」
「待ち伏せされていたんでしょうか?」
「とにかく、こいつらをどうにかするぞ。」
「はい!」
襲いくる怪人達と戦闘へと入る2人。
赤井君はこれまで怪人と戦ってきた影響か、どの怪人の動きにも機敏に反応しつつ、その体に攻撃を叩き込む。
対して、漆原はというと圧倒的だった。
怪人の懐に飛び込み、一撃を叩き込むと荷を崩しながら、怪人は吹き飛ぶ。
さすがに一撃では倒れてはくれないが、それでも怪人が自分の間合いに入った途端にもう吹き飛んでいる。
変身している赤井君よりも強い漆原。
一体、なぜ彼がここまで強いのかと疑問に思うが、そんなことは後。
怪人はどこから出てきたのかと思うほどの数になっていき、和崎さんほどの強さではないものの、消耗はする。
基本、一対一の勝負しかしてこなかった赤井にとっては初めての経験であり、それが致命的だった。
「ぐっ!?」
「赤井君!?」
近づいてきた巨体のとかげ人間の一撃を受け、壁へと打ち付けられる。
そこに殺到する他の怪人。
漆原も囲まれており、こちらへはすぐに駆けつけられない。
赤井はスーツの限界が来るかもしれないと覚悟を決めて、対峙しようとするが、その時、背後の壁にひびが入る。
咄嗟にその場にしゃがみ込むとそのヒビが割れ、外から何かが怪物達へと降ってくる。
それは同じく、とかげ怪人。
外にも同じ個体がいたのかと思うが、誰がそれを成したのか。
「大丈夫か?」
「え?和崎さん?」
先ほどまで顔を合わせていたことでなんとなくだが、判断できた。
「車にあいつらが来たから蹴散らしてこちらにきたんだけど、こちらの方が多いな。」
「ええ、どんどんと湧き出るように出てくるんですよ。」
「まずは原因を突き止めないといけないのか。よし、行こうか。」
「え?」
「こんな状況でただじっとしているのは性に合わないし、何より友達を助けないのはね。」
「友達?僕がですか。」
「いけない?」
「いえ、心強い友達です。」
「そうか、じゃあ、やろうか。」
「はい!」
左右に並び立つ怪人とヒーローの共闘が始まった。
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