第8話 酷似した二つのベルト
特に死人を出すこともなく、怪人を無力化した漆原達。
その中でも意識のあるものに話が通じるか確認したものの。
「ダメだ。
これじゃ、動物と同じだな。」
「大抵が威嚇するか、怯えるかですもんね。」
「俺と何が違うんだろうか?」
和崎に関しては初めから会話はできていたのに、ここにいる怪人達は人間の言葉を話せず、鳴き声を上げるだけ。
和崎の前では言えないが、失敗作だったのだろうと漆原は判断した。
「一匹だけ、話すことはできないが、それなりの知能を持つやつはいるがな。」
「そのカメレオン怪人ですか。」
「ああ、こいつだけは意図的に動いていたし、そして、ベルトもしていた。」
「そのベルトって。」
「ああ、壊れているが赤井君のベルトと酷似している。」
能力拡張型のベルトだとは思うが、ほぼデザインが一緒。
この形でしかベルトにできなかったのか、ベルトだけを量産して、機能を追加したのかはわからないが、少し考えが足りないと思う。
「偶然ってことはないんですよね。」
「ああ、既存のベルトに同じデザインはないからな。
それに赤井君に対して、怪人達が敵意を向けているのが、ベルトが関係している。」
明らかに赤井君に対しては怯えなど見せずに拘束さえなければ、襲いかかってきそうな勢い。
「ベルトにそういう機能がある可能性があるってことですか。」
「和崎君はどうだい?」
「いえ、俺は特には・・・。でも。ちゃんと意識が戻る前は赤井君に敵意を感じていたかもしれません。」
「ふむ。
ベルトの効果が大きくなる可能性もある。
その前に踏み込むべきかな。
赤井君、扉の前に立ってくれ。」
「は、はい。」
赤井君を閉じている扉の前に立たせると扉とベルトが反応、扉が開く。
「そのベルトでも反応するのなら、敵の拠点まで行けるかもしれないな。
よし、いくぞ。」
漆原が先行して扉の奥へと進み、赤井と和崎はそれを追いかけていき、その背後で扉は閉まっていった。
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