第4話 ワニ怪人の仕事先調査の道中

瓦礫がほぼなくなったところで別の車両が入ってくる。

こちらの外見は普通の乗用車。

扉を開けてみると外見よりも室内はかなりゆったりとした空間でワニ怪人も余裕で入れるサイズ。

それに警察官、赤スーツ、ワニ怪人が乗り込むと運転手は無言のまま、車を走らせる。


 「さて、これからワニ怪人君の仕事先に調べにいく。

その前に自己紹介と行こうか。

俺は漆原 応加(うるしばら おうか)。

表向きは警察官をしている。

次は赤スーツ君、君だ。」


赤スーツ君は頷き、ベルトへと手をかける。

ガチャンと音がすると、赤スーツが消えていき、そこには高校の制服を着た男の子が現れる。


 「僕は赤井 真矢(あかい しんや)。

高校生です。」

 「高校生か。

どういった経緯でベルトを?」

 

赤井君がベルトを託されたのはワニ怪人とは別の怪人が街を襲っている時の事。

避難している人の中で子供が取り残されているのを助けたのがきっかけでベルトの制作者である博士からベルトを託されたらしい。

君にしか頼めない、君しかあの怪人に立ち向かえないと言われ、半ば強引にベルトを装着、変身。

ベルトの力を引き出し、怪人を撃退した後、持前の正義感から怪人に立ち向かうことになったそうだが。


 「それ、騙されてないか?」

 「は?」

 「たまたま、怪人が襲ってきて、たまたま、そこに居合わせた博士からベルトをもらって、たまたま、撃退できた。

どう見てもおかしいだろ。」

 「言われてみれば、そうですが。

で、でも、ベルトがなければ、被害はどんどん拡大していたんですよ!」

 「確かに君が変身したことで被害は防げたが、その襲撃自体が仕組まれていたとしたらどうだ?」

 「え?え?」


その時、車が止まる。


 「目的地はここでいいかな?ワニ怪人君。」

 「ええ、ここが俺の勤めていた職場です。」

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