第3話 補修班到着
瓦礫の押し除けながら現れたのはブルドーザーのような爪のついた装甲車。
ゾンビ映画で見るような魔改造車のように思えるが、見た目に違和感がなく、キチンと作られた専用車である事がわかる。
専用車は瓦礫のある中央に停車すると人員が降りてくる。
見た目、普通の作業員のように見える。
「おう、ご苦労様。」
「お疲れ様です。
あ、今回は現行犯で捕まえられたんですね。」
「ああ、今回は予測が当たってくれてよかったよ。
じゃあ、作業よろしく。」
「了解、各員、変身!」
「「「了解!」」」
作業服のベルトバックルが光り出したかと思うとそこから何かが漏れ出て、体を覆っていく。
光が収まった時、そこにいたのは石の鎧を纏った作業員。
「では、各自、過去の映像を確認しながら、補修作業開始。」
作業員が動き出すとその体に瓦礫が吸い付いていき、どんどんと大きくなる。
そして、建物があった場所まで辿り着くとその瓦礫を体から分離、パズルのように組み合わせつつ、建物を作っていく。
その様子をポカンとした表情で見ている加害者の2人。
「あ、あれはなんですか?
変身ベルト?」
「いや、それよりも怪人に近い気がするけど。」
「一応、機密事項だが、教えてもいいか。
あれは怪人を研究した結果生まれた道具だよ。」
「怪人になれるベルトですか。」
「あの人達は自由に戻れるんですね・・・。」
ワニ怪人は改造されてしまったためにもう人間には戻れないために、人に戻れる補修班に羨みを浮かべる。
「ああ。
あ、ちょっと勘違いしているようだから言っとくが、元の怪人は人間に戻れるようになったぞ。」
「え!ということは。」
「君もまだ人間に戻れる可能性がある。
そのためにも君が働いていた場所を調べる必要がある。
協力してくれるか?」
「は、はい!」
戻れる可能性ができたためにワニ怪人君は喜び、その尻尾をブンブンと振っている。
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