第2話 説教と怪人事情
数分後、警察官の前にはボロボロになった状態のワニ怪人と赤スーツが並んで正座していた。
その前には腕を組んだ警察官の姿。
「さて、君たち、何が悪かったかわかるかい?」
「え、えーと、街を壊したこと?」
「半分正解。
後の半分は?」
「・・・すいません。
わかりません。」
「君たち、戦った後、どうしてる?」
「負けたので逃げました。」
「正体バレしないために即座に去りました。」
「じゃあ、街を壊したまま、逃げたわけだ。」
「で、でも!」
「でも、へったくれもない。
自分でやったくせにそれを放棄して帰るな。
責任をとれ。」
「す、すいません。」
「で、怪人君の方はどうだ?
頭はスッキリしたか。」
「は、はい。
あれだけ暴れたかった気持ちが収まりました。」
ボロボロ状態のワニ怪人はまるで先ほどとは別人。
姿さえ、人間ではないが、温厚そうに見える。
「改造された影響だったんだろうな。
で、改造された経緯は?」
「・・・そのバイト探していたら、割のいいものを見つけたので。」
「ブラックバイトか。」
詳しい話としては、
荷運びのバイトで一日10万。
この時点で危ないと気づくものであるが、金欠の状態でそんな余裕もなく、応募してしまった。
初日の仕事ででた給料は手渡しで10万。
嘘ではなかったことで仕事にものめりこむようになり、1週間。
職場の先輩に連れられ、歓迎会で飲んだところまでは記憶があったのだが。
「で、気づいたらのが今です。」
「ふむふむ。
給料が手渡しなのは入金した記録を残さないため、そして、一週間は仕事というか検査のようなものを受けていたようだな。」
「検査ですか?」
「ああ、怪人に適正があるかだ。
で、君には適正があった。」
「じゃ、じゃあ、一緒に働いていた人達は。」
「君同様、改造候補か、監視、または検査要員だろうな。
それについては調べていけばわかるさ。」
そんな説教と説明をしていると何か背後から音が聞こえてくる。
「と、やっと来たか。」
「何がですか?」
「補修班さ。」
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