第13話 メロディは夕焼け

仕事を早くあがらせてもらったの。

チビは近くの喫茶店で待っててくれた。


「まったー?ごめんやで。

ママ、うっさいねーん。みんなゼニーバって呼んだわねーん。似てるやろ?」


「ゼニーバか?

似てるわ、あはははーー。

せやけど、ゼニーバええもんやでぇ。」


「悪人のゼニーバおんねん!」


それからしょーもない事ばっかり話をしたな。

暗い話はギャグネタにするのが

お笑いやんな。


「お姉ちゃん、僕らのコンビ名な、なんであんなんにしたと思う?」


「えー?なんやろ?

玉置浩二さんのファンとか?ベタやなぁーー!」


「あははは。言うと思たわ。でも、当たり半分やな。

お姉ちゃん、歌詞知ってるか?

ほら、スマホで見で聴いてみ?」


あの頃は何もなくて

それだって幸せだった


「あ、、、。

そうかぁ。うん、うん、、。」


またしても私は泣いてしまった。

きっと、ずっとからだの中に溜まってものが

溢れだしたんだと思うわ。







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