第12話 過去はドブネズミ色
あの頃、私の父は工場をやってたの。
景気が良かったから、女遊びが酷かった。
母は精神を病んでしまっていた。
父が女の所へ行った夜は、お酒を煽って
私を叩いた。
父親似だったからね。
顔ばかり、、。
家事もやらなくなったから、私が代わりにやったの。
扁桃腺の手術で入院してた友達のところへ
行った時、あれこれ娘の世話を焼くお母さんを見てたら悲しくなってしまったの。
家に帰る気持ちになれなくて、病院の近くの公園に行ったの。
そこで、貴方に出逢った。
見た時に、ああ、この子もおんなじ。
そう思った。
なにも話さないけど、わかる事ってあるのね。
貴方との短い時間は私の幸せだった思い出になったわ。
バブルが弾けて、工場は借金まるけで
潰れたの。
父は逃げてしまった。
母は連帯保証人にされてた分があったの。
働かない母と借金を返す為に、何もかも捨てたわ。
このお店でNo1になることだけが
私のプライドになったの。
それだけが生きてる意味になった。
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