第12話 鉱山生活

おはようございます。皆さん僕は今、鉱山で鉱夫として仕事にいそしんでいます。ここにきて早3日住めば都とよく言いますがこの生活にもだいぶ慣れてきました。朝夕の感覚はありませんが干し肉と水のみの食事と土の上での睡眠、そしてこの仕事を終えれば銀貨一枚もらえるらしいです。


最初はやばい組織かと思ったけど脅されることも鞭で打たれることもないのでつらい仕事ではあるが鉱石が出てきたときの達成感がとても気持ちがいいんです。班のみんなともだいぶ打ち解けて日常会話も弾んできました。


「みんな起きたか~?」


「「「「はーい。」」」」


「今日は一番奥まで行って先にいる班と交代して作業を行うから道具は全部持っていくように。」


「「「「了解です。」」」」


道具と言っても鉱石を運ぶ台車とつるはし後は食料ぐらいなので準備はすぐに終わり奥へと進む。


「なあアルファ、ここの仕事が終わったらお前どうするつもりだ?俺冒険者になってみようと思うんだけど、もしよかったら一緒に仕事しないか。」


「うーん一応商人として仕事はしてるからぼくはいいかな。」


「ちぇー。だったらお前の店で働かせてくれよ。」


今話しかけてきているのはスラム出身のレイピンと言って鉱夫になるのは僕と同じで初めてでここで働き報酬の銀貨で冒険者登録をするためにきたらしい。


喋る限りはいい人で仕事も動きがよく働き者だ。ただ怒りっぽいのでほかの班の人とちょくちょく喧嘩を起こす。これさえなければぜひ雇いたいのだが店員としては雇うことは難しいだろう。


「店持ちじゃないし売り上げもそんなにないから雇えないよ。」


「店持ちじゃなくてもいいさ、俺が売り上げを上げてやるよ。」


「えー「おまえら喋りすぎだぞ。」


あらら注意されちゃった。


「おーい交代しに来たぞ!」


「おう!待ってた。それじゃあよろしくな。」


先にいた班と交代しすぐに仕事へと取り掛かる。作業はいたって単純。つるはしで壁を掘り台車に乗せたら地上へと運ぶそんなけだ。地上では鑑定班が確認しクズ石と鉱石を仕分けする。見た目でわかるものもあれば石の中に隠れている物もあるので取り逃しが無いよう入念にチェックしていくらしい。


つるはしを壁に当てるのだがこの小さな体では力が弱いため一応掘れるのだが進みは遅く、打ち付けたときの反動が強いので手はすでにボロボロになっている。チマメもすでにつぶれ痛みがあるので余計に力が入らない。


坑道内を回復魔法を使える人が巡回しているらしいので早く会えないかな~と思い名が仕事をこなす。


________________


ひたすら掘り続けてだいぶ時間が経った。


「今日はここまでだ飯にしてすぐに寝るぞ。配給するからこっちに集まれ。」


いやー今日も働きましたね。収穫としてはまずまずの量だった。


「この生活にも慣れたか?」


「はいもう慣れました。最初はキッツって思いましたけど達成感がすごすぎてもう病みつきです!」


「おおいい調子だな。ガキ過ぎて使えるか?と思ったけど根性あるな。明日で折り返しだからなこの調子で頼むぞ。」


食事を終えてすぐに就寝へと入る。水浴び?歯磨き?そんなもの鉱山の中ではしません。貴重な水をそんなことには使えないので出てからになるので臭いますが気にしてはいけないのです。それではおやすみなさい。


__________________


ドーン!!!!!


巨大な音と揺れに目が覚め飛び起きる。


「崩落だー!!」


「どこで崩落した。」


「まだわからない。ここまで声を上げながら走ってきたから別のルートだとは思うが・・・。」


「お前らいったん外に脱出するぞ。動けないやつがいたら手を貸してやれ。」


急いで地上へと移動を始める。僕たちのルートは問題なく全員無事にだしゅつすることができた。この坑道は3ルートに分かれているらしく1つは僕たちが掘っていた地下に進んでいくルート、ほかの2つは山の中央を進むルートと僕たちは別方向に地価を進むルート。班長達が調べた結果中央のルートが崩落したらしく崩落した場所が魔物の巣につながっていたらしくムカデ系の魔物が坑道内に流れてきているらしい。中の人たちを助けるのは絶望らしくいったん道を封鎖することで進行を止めてあるらしいが即席でバリケードつくったためいつまで持つかわからないらしい。


3ルートは中でつながっているため魔物を無視してほかのルートで作業することもできない。


「しょうがねえトールデンさんに連絡を入れろ。応援が来るまで魔物が出てこないようになんとしても食い止めるぞ。」


「お前らクズ石持ってきて中に運べ。中央ルートを埋めるぞ。」


大慌てでクズ石を台車に乗せ中へと一斉に運び中央ルートの前に積み上げていく2時間もしないうちにしっかりと埋めることができた。途中いつ魔物が来るかハラハラしたが結局一度会うことはなかったのでラッキーだった。


さらに2時間後応援が到着し10人ほどの傭兵をつれ班長達が中へと入っていった。


「てめぇら行くぞ。」


「「「「「「「おう!」」」」」」」」


みんなが入ってすぐに爆発音が聞こえたので中に入った人の中に魔法を使える人がいて石の山を吹き飛ばしたのだろう。


しばらくすると中に入った人たちが帰ってきた。


「中の掃除は終わったが今日は休みにする。明日は魔物の巣を探索するため中央ルートはいったん作業中止、手が空いたものはほかのルートへと振り分ける。」


はー、亡くなった人はかわいそうだけど鉱山に崩落は付き物だもんな。魔物が出てくるのはさすが異世界って感じだけど命の軽い世界だからこそ自分を守るすべが欲しい。お金があれば護衛を雇うのもいいかもしれないな。


あーあいい調子だったのに気分が落ち込むな。あと3日何とか頑張ろう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る