第9話 お試し1
角煮を売った次の日、ギルド長と話をしお試しで食堂を開いてみることにした。
自分の中で食堂と言えばご飯とみそ汁がおかわりし放題というのがあるのでその二つはたくさん用意しよう。余ったら庭先で売れば良いしな。
ということで本日の食材であるブルブルを冒険者ギルドへ買いに行かなければいけない。前回のことがあるのであまり近寄りたくなかったんだがこの先顔を出すことも多くなるから早めに顔を覚えてもらって絡まれないようしなくちゃいけない。
「おはようございま~す。買取に来ました~。」
「おお坊主、朝から元気がいいな!何が欲しんだ。」
今日の受付は男性だった。ブルブルが欲しいことを伝え、10キロ購入した。すごく気さくな人でとても話しやすかった。それに今回は冒険者に絡まれることはなかったからよかったよかった。
「これどうぞ。もし僕がお店開いてるのを見かけたら顔を出してくださいね。」
別れ際にお店の宣伝として飴玉をあげる。今回は商業ギルドの経験を生かして一つのみのプレゼントだ。
「ありがとよ坊主。」
さっさと戻って支度しますか。
_____________
ということで戻ってまいりました。ギルドの休憩室で料理をするので部屋の中を確認すると調理器具はすべてそろっていたのですぐに始めます。
まずはお米、これは外せないね。ただこの世界の人はお米の存在をあまり認知していないので白米ではなく混ぜご飯にして出そうと思う。ちなみに東の
米はめんどくさいから召喚で菜飯を呼び出す。これは完全に自分の好みのものを呼ばせてもらった。白米にしょっぱい大根の葉がおいしんだよな~、子供のころたまに給食で出てきたときは嬉しかった思い出がある。
みそ汁はだしパックを使いわかめ・ねぎ・豆腐の簡単なものにしておく。味噌は赤と白のミックス味噌で万人受けするようにしておいてメインのおかずはブルブルを使った焼き肉炒めにします。
ブルブルを適当に切り分けて、玉ねぎをスライスする。したらばフライパンで炒め火が通ってきたら焼き肉のたれを入れて完成だ。後は細かいもので卵焼きを焼いて大根おろしとだし醤油をかけておしまいにする。
よっしゃあ準備は万端だ。皿とお盆を並べておいて自分でよそってもらうスタイルにしておく。休憩時間にはまだ早いので一人だけ先にいただこう。
まずはみそ汁から。
「ズルルルル。は~~~。ホッとしますな。」
みそ汁ってなんで飲むだけでこんなに心が落ち着くのだろうか。お吸い物もいいが僕はやっぱりみそ汁が好きかな。豚汁も外せないけどね。
菜飯はもちもちとしたお米にいい塩梅の塩加減シャキシャキとした大根の葉の食感が気持ちいい。卵焼きはまあうん普通だな。
最後にお茶を飲んでお終い。
「はーおいしかった。」
「んねぇー、おいしかったわよ。」
ヒィーーいつの間に横に居やがったんだこのオカマめ!!!驚きすぎで寒イボが出てきた。
「なによ、私がいたらだめなの?それにしても予想以上だったわね、これなら続けてお願いしたいわ。どう?給金は多めに出すわよ。」
「たまにはこんなのもいいですね。顔出す前には掲示板に紙を張り出してわかるようにしますね。」
「契約成立ね。よろしく。」
「はいよろしくお願いします。」
「そろそろみんなが来るから私は部屋に帰らせてもらうは今日はありがとね。」
強烈なウィンクを残して休憩室を後にするギルド長と入れ替わりで職員の人たちがぞろぞろと入ってきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます