第8話 オークの角煮
冒険者ギルドで問題が起きてしまったがその後は問題なく戻ってくることができたのですぐに準備をしよう。
前回使用したU字溝を使い火を起こしたら水の入った大鍋を温め網の上でバラ肉を焼いていく。全体的に焼き目が付いたら大鍋に入れニンニクと生姜・青ネギお酒を入れて灰汁を取る。
灰汁が大体取れたら醤油とみりん・砂糖を入れてさらに煮込んでいく。我が家では角煮や手羽元を煮込むときは煮卵も一緒に作っていたので隣で茹で卵をたくさん作る。
茹で卵は作る前にお尻部分に針で穴をあけて、水の状態から茹でていく。途中何度も卵を転がし黄身が中央に行くようにする。茹で上がったら水の中で殻をむき角煮の鍋へとどんどん入れていく。
だいぶ時間がったったので一度鍋を開け肉を取り出してみると、プルプルのてかてかになっていて箸で表面を押せばそこから崩れるではないか。完成だこりゃあいいものが作れたな。
「あんらぁ?ようやくできたのかしら。もう待ちくたびれちゃったわ。一つお願いね。」
このオカマ野郎仕事をしろよ仕事を!肉を焼き始めてからずっとここに居やがった。そりゃあ待ちくたびれるわ。
角煮が一切れ500gなので20kg÷500gで40本、試食で1本なくなるので39本を販売プラス一皿に着き卵を2玉なので大銅貨1枚・・・いや2枚でいいか。日本円で2000円少しぼりすぎな気がするけどまあ大丈夫だろう。あんまり人が来ないようだったら大銅貨1枚で販売するか。
「大銅貨2枚ですが割引で大銅貨1枚で~す。お皿は後で返却お願いしますね。」
「せっかくだから一緒に食べましょうか。」
まだ客は来ていないのでお言葉に甘えて一緒に食事をすることにした。
オークの肉は日本の豚肉よりも柔らかくうまみが強く感じられ量があるのでくどくなるかと思ったがそんなことはなくバクバクと食べられた。これはもうたまらんと思ってホカホカの米を召喚し崩した角煮と汁をかけ温泉卵とネギをのせ一気にかきこむ。
「は~~~。うま~~~。」
「ちょっと何よそれ!私にもおんなじ物をお願い!」
ギルド長も一気にかきこむと至福の顔を浮かべ、ぺろりと食べ終えてしまう。
「おいしかったわ。そうそうこれは相談なんだけど、料理のおいしいあなたにお願いがあってもし迷惑じゃなかったらうちのギルドで食堂を開いてくれないかしら。いつ開けもいいし休んでもいいからやってくれると助かるわ。」
「いまみたいな料理じゃだめなんですか?」
「おかずだけじゃなくてちゃんとした食事がいいのよ。私が言うのもあれだけどここの仕事は忙しいから外食に行くと移動時間のせいでちゃんとした休憩が取れてないのよ。かといって冒険者ギルドみたいに食堂を併設すると変なのが集まるからしたくないしあなただったら問題ないでしょ。スキルのことは内緒にしてあげるから。」
「!!いつからスキルのことを。」
「気づいてなかったの?この料理の材料だったりどんぶりやら皿やらどこから出したかよーく考えてみなさい。私はずーっと前で座ってたのよ。」
そういえばスキルで出してたような・・・・。
「わかったかしら。何もない場所から突然いろいろ出てきたら誰でも特殊なスキルだともうわよ。もう少し周りを気にして使ったほうが身のためよ。」
「はい。善処します。」
「私のお勧めは、マジックポーチを買うことね。そうすればそこから取り出したことにすればなんでも出てくることへのつじつまが合うから。ちなみにお値段は最低でも金貨10枚からだから頑張って貯めなさいね。それじゃ、いい返事待ってるわ。」
はースキルのことがばれてしまった。ただばれたのが話の分かるギルド長だからよかったがほかの人だったらどうなってたことやら。もう少し気にして使おう。
それにしても食堂か・・・。自由に開いてもいいならやってみようかな。今は売り上げがいいが正直不安定な仕事だからな、定職に就くようなものと考えれば意外といいのではないだろうか。やってみて楽しいようだったら続けてみるか。
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