第7話 食材調達

あれから何日も立ったが毎日完売で商売繁盛である。


今日はいつもスキルで済ませてしまう食材調達をせっかくなので現地食材でやっていこうと思う。そうとなれば行くのが冒険者ギルドである。


冒険者ギルドには解体場が併設されていて新鮮な魔物のお肉が手に入るのだ。この世界では魔物がいるため畜産業は発達しておらず乳製品を作るために飼っているぐらいで食肉にはしようとしないしあまりおいしくないらしい。まあその辺においしいお肉がたくさんあるのにわざわざまずいものをおいしくしようとは思わんわな。


ギルドに着き受付へと歩いていくのだが周りからの視線が強く、もしかしたらあのテンプレが起きるかもしれない!あ!でも俺登録しに来たんじゃないや。ただ食材を分けてもらいに来ただけだから安心安心。


「すみませ~ん。魔物の肉を購入したいんですけど何がありますか?」


「あらこんにちは。おつかいかな?どんなものが欲しいの?」


「おつかいじゃなくて僕が使うんです。そーだなーそれなりに量があってうまいにくがいいかな?予算は銀貨10枚くらいで。」


「ならブルブルかオークがいいわよ。ブルブルは牛系の魔物で赤身が多く食べ応えがあってオークは豚系の魔物で脂身が甘い定番の2種類なの。銀貨10枚もあればどっちも2.3頭は買えるわよ。」


「じゃあオークの豚バラを20キロください。」


「わかったわ、少し待ってっててね。」


受付嬢が奥へ入っていくとタイミングを見はかっらったように後ろのテーブルから一人の男が近寄ってきた。近づくにつれ強烈なお酒の匂いが漂ってくるのでおそらくベロベロに酔っているのだろう。


「な~~坊ちゃん。オークの肉が欲しいらしいな~俺が今からとってきてやろうか?指名料込みで銀貨30枚だけどな。だっはっははは。」


この野郎、もう買ったっての!周りのやつも止めようとしないし受付の職員はこちらを見ようともしない、完全に遊ばれてるな。


「おいおい!ダンテ俺たちを指名するなら銀貨35枚の間違いだろ~!」


「おお!そ~だったな!で、どうするんだ。まあいいって言うまで帰さないけどな。」


くっそ~こうなったら強行突破だ!


受付カウンターを飛び越え解体場につながる扉まで走り抜ける。冒険者たちもまさかこっちに逃げるとは思わず固まってしまっているので追いかけられることはなくすんなりと入ることができた。


扉をくぐると想像していた拷問施設のような風景はなく大きな台の上に魔物が乗っており複数人で丁寧に作業をしていた。


「さっきの子じゃない。どうしたの待っていてって言ったでしょ。それにここは関係者以外立ち入り禁止よ。」


「それが話が終わった後に冒険者に絡まれまして逃げ場がここにしかなかったんです。」


「ほかにも職員がいるんだから助けを求めればいいじゃない!」


「なんていうか見捨てられたといいますか無視されたといいますか、とりあえず助けてもらえなさそうだったので飛び込みました。


「はー、わかったわ。ここで物は渡すから一緒に出ましょうか。」


約束どおりバラ肉を20キロもらい銀貨3枚を渡した。


「それじゃあ行きましょうか。」


受付嬢の後ろについて歩き扉を出る。出てすぐに受付嬢が向かったのは同僚の元だ。


「あなたたち!子供が変なやつらに絡まれてるのに何で助けてあげないのよ!問題ごとが起きないように私たちがいるんじゃないの!」


「いやそれは、その・・・」


「あなたたちが全面的に悪いのに言い訳を言おうとしないで。それで問題の冒険者たちはどこにいるの!」


責め立てられる受付が指をさす先にはもぬけの殻となったテーブル席があった。


「誰が座ってたの?」


「大地の盾の方達です。」


「あいつらこれで3度目ね。酒に酔った勢いとはいえもう許せないわ。すぐに冒険者登録をはく奪するからあなたたちも手伝いなさい。ごめんねもうこんなことがないように対応はするからまた来て頂戴ね。もしかしたらまだその辺にあいつらがいるかもしれないから気を付けてね。」


「ありがとうございました。気を付けて帰ります。」

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