第2話 露店
さあやってまいりました露店売り場です。見渡す限りにお店が出ており、野菜から武器まで何でもそろっています。
この露店売り場では基本的に出稼ぎに来る人が多く野菜や雑貨などが基本で見習いなんかが作ったアクセサリーや武具なんかは少ししか出ておらず中には見るからに怪しいものまで出展されている。
何とか空き地を見つけて出店の準備を行う。
今回は販売する物は落花生です。よくお店に売っている乾燥したものではなく、生の物を使用します。個人的な感想だけど乾燥したものより生の物を茹でて食べたほうが断然おいしく感じる。みずみずしく塩味が感じられ、小指の先ぐらいの大きさの物は殻が柔らかいのでそのまま食べることだってできるのだ。
そういうことでスキルを使って生の落花生を呼び出す。
石で丸を作り中に薪を入れ火をつけ水の入った鍋を上に置き沸騰するのを待って塩を少し入れる。沸騰してきたら落花生を入れて火が通るのをしばらく待つ。
火が通ったらお湯から上げればもう完成。味見にお一つ。
殻をパキッと割ると中から塩水とともに柔らかな身が出てくる。指でつかみポイっと口に入れ一噛みすればもう止まらない。次々と殻を割りどんどん口の中へ入れてしまう。成長途中の物は殻の中に白い果肉のようなものがついておりこれがまたうまいのだ。
このままではすべて食べてしまいそうなので何とか手を止めお湯から上げたものをどんどん期の器に移していく。適当な量で器を変えて20皿準備できた。
今回はこれを一皿大銅貨1枚(銅貨×10枚)で売るつもりだ。
準備している間に気になった人が足を止め店の前で待っててくれていたので客引きには困らなさそうだ。
「いらっしゃい!これは落花生っていうんだ殻を割って中の実を食べるものなんだ。これ単体でもおいしいけどお酒と一緒に食べるのもおすすめだよ。お試しに一つどうぞ。」
「ナッツみたいなもんか。どれどれ?・・・・おっ!こりゃあうまいな。一皿もらうよほら大銅貨だ。」
「まいどあり~。そちらの方もどうぞおひとつ。」
「おお!うめえなこれは!俺も一皿もらうぜ。」
小一時間ほどですべて完売してしまった。すべての売り上げで大銅貨50枚の売り上げになった。食事つきの宿が一泊だいたい大銅貨5枚ぐらいなので生活するのには困らなさそうだ。今日はもう販売はしないので身の回りの備品を買い集めに行こう。
____________
安い店で服から歯ブラシなどの雑貨を集め終わったので宿へと向かう。普段こんなにものを持ち歩くことがなかったので大きなリュックも合わせて買ってしまった。
なになにリュックがなかったなら露店の時にどこから落花生を出したかって?それは事前に服を脱いで風呂敷代わりにして持ち行っただけのことさ。
「こんにちは!部屋開いてますか?」
「あらこんにちは。部屋なら開いてるわよ。」
「それなら1週間食事付きでお願いします。」
「大銅貨35枚だよ。これはカギだから、もし外出するなら私に渡してちょうだいね。」
部屋に入って荷物を下ろしベットに寝転がり明日のことを考える。
「いやー商売としての幸先はよかったね~明日は何を売ろうかな。うーん、異世界定番のふらいどぽてとでもうろうかな~。あれなら蒸かしてあげるだけだから簡単だし目も引くと思うんだよな。うん!それにしよう。」
しばらくは露店でお金をためてお店を持つことを目標にし店を持つまではなるべくおとなしく商売をして変なのに目を付けられないようにだけ気負付けて行動しよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます