第6話砂漠の激闘

ローラン達はまだラムリアースにいた。

東方諸国に移動するいい依頼がなかったからだ。

その間特にいい依頼もなく毎日退屈な日々を送っていた。

やった事と言えば毎日日課の剣の稽古と街中で起こる喧嘩の仲裁ぐらいだ。

今日こそら何かあるかなといつものように冒険者の酒場にいくローランを見るとオヤジは

「おぉ〜来たか毎日精が出るな」

と少し嫌味混じりにいう。

ローランはとりあえずカウンターの席に座りエールを注文して

今日の依頼の事を聞く。

「そうだな?

まだ特に何も入って来てない」

と返答するがそれはここに入って来た時に既に感じていた。

しばらく酒場で時間を潰すと1人の商人が入ってくる

商人は店のオヤジに依頼を頼むつもりらしい

ローランは内心やっと来たかとも思った。

だか東方諸国に向かうとは限らない

ファンに向かうやつならそれは外れだ

しかしローランの期待した通りこれは東方諸国に向かうようだった。

オヤジとの会話の中に『エレミア』という言葉が聞こえてからだ。

エレミアとは東方諸国の国の1つでこの大陸1の商店が広がる街だ。

エレミアのすぐ北にはカーン砂漠という砂漠が広がっており旅立つ人達はまずそのエレミアで色々仕入れていく

ローランは立ち上がり2人の話に割って入った。

「エレミアに行くなら俺達に任せてくれ」

と商人もオヤジも驚いた。

商人ひローランを値踏みするように見ると

「護衛を引き受けてくれると?」

と返してきた。

「もちろんさ」

とローランも返す。

商人は

「他に仲間は?」

と聞くと

「あと2人いる、ドワーフの戦士とグラスランナーのシーフだ」

と答えた。

商人は少し考え、依頼の申し出を承諾した。

ローランは早速ウォッカとアップルジャックを呼びに行ったのだった。

エレミアまでの道のりはラムリアースから約10日程の道のり街道沿いに歩けばつけるが

勿論道中には盗賊やモンスターも出る。

報酬は前金で200ガメル、着いてから成功報酬でもう200ガメルだった。

よくもないが悪くもない

ローランはそれより移動できる事が嬉しかった。

早速支度をしてローラン達はエレミアを目指すのだった。

エレミア迄の道のりは長い、しかし旅は順調に進んだ、途中野党やモンスター等は出たが

前のゴブリン討伐で自信をつけたローラン達にはそれぐらいの敵は相手にならなかった。

難なく切り抜け10日後無事にエレミア迄辿り着くことが出来た。

エレミアに到着するとか商人は満足気にして成功報酬を支払ってくれた。

ローラン達もこれは簡単な依頼だったなと思っていた。

そしてエレミアの冒険者の酒場を目指した。

エレミアの冒険者の酒場はかなり広かった。

それに沢山の人もいた。

冒険者ももちろんだが商人風の奴等も沢山いた。

酒を飲みに来ているだけでなくそこにいる冒険者達に道具を売ってたりもした。

さすがは商業国家だとも思われた。

このエレミアは大陸随一の商業国家で露店を初め多くの商店が立ち並ぶ

買えないものはないのではという程の色んな店がある、噂で聞くとマジックアイテム等も売ってたりするらしい。

マジックアイテムとは武器や防具それに装飾品等に魔力が付与されたアイテムの事だ

それを持っている冒険者はかなり冒険に有利になる、戦闘だけでなく捜索や探索といったあらゆる魔力が付与されており値段もかなりのものになるらしい。

今のローラン達にはとても手が届かないものだ。

ローラン達は店のオヤジに挨拶をしエールを注文して無事終了した依頼の労をねぎらった。

簡単な任務とはいえ10日間の旅路はしんどいものがあった。

今日は久しぶりにゆっくりベッドで寝られることだろう。

また明日からオランに向けての依頼を探さなければならない。

次の日ローラン達は店に行きオヤジに依頼がないか聞く

オヤジは

「今はないな、そもそもここからオランまで4日ぐらいの距離だそれにこの辺の街道は結構オラン、エレミア両国が警備してるから安全だから護衛の任務自体そうないんだよ」

と言われる。

「それなら金稼いで自費で移動した方が早いぜ」

とも言われた。

確かにそういう事情なら自費で移動した方が早いかもなと考えていると

「金を稼ぎたいならこいつに参加したらどうだ?」

と1枚の紙を渡された。

そこには『砂漠の捜し物イベント開催参加者募集』と書かれていた。

オヤジにこれはなんだと聞くと1年でこの時期は砂漠のモンスターが減るのでそれに合わせてカーン砂漠で国主催のイベントが開催されるらしい。

しかも国主催だけあって賞金もそれなりに出るようだ。

更に紙を読むと賞金について書いてあった。

優勝賞金は2000ガメルと副賞で魔除のお守り

と書いてあった。

魔除のお守りとはマジックアイテムの1つで

魔術師の使う『カウンターマジック』が付与されたお守りだ

カウンターマジックとは魔法を使う相手等に有効で持っているだけでその体制をつけてくれるアイテムだ。

もちろん2位以下には賞金は出ないが参加費も無料だったのでやってみる価値は十分あった。

ローランは早速2人にこの事を持ちかける

ウォッカはまぁローランが参加したいならと渋々認めた。

意外にもアップルジャックは乗り気だった。

おそらく賞金の2000ガメルがきいているようだ

彼は早く精算して自由になりたいのだろう。

全員の合意が取れた事でローランはオヤジに参加の登録をお願いした。

開始は明日の夜0時丁度だった。

ローラン達は早速準備に取り掛かった。

まず必要な物を買いに行く。

砂漠と言えど夜はかなり冷えるので厚手のマントが必要になる。

水などの最低必需品は主催者側が用意してくれるみたいだった。

後は砂漠に出るモンスターの調査だった。

主には砂蛙や蛇等だが1番危険なのは蠍だった。

奴はしっぽに神経毒を持っておりそれに刺されるとしばらく動けなくなる。

これはポイズンポーションでは解毒できず

また違うポーションが必要になってくる。

それらを買って置く必要があった。

イベント内容の細かい事は書かれていないが

前年に参加来た奴等の話を聞く事が出来た。

イベントの内容は変わることもあるが

おそらく今年はもの探しイベントだろうと

そのものというのはカーン砂漠にある

夜に光る石だという、別に魔法がかけられている訳ではなくて光苔か付着している石だそれらを時間内に沢山持ち帰った者が優勝という単純なものらしい、でもここで注意しないと行けないのがいくらこの時期モンスターの出現が減ると言えど全く出なくなる訳ではないのでもちろんモンスターにきわやつけないと行けないという事でもそれ以上に気をつけないと行けないのがほかの参加者達だこのイベントは時間内に沢山持ち帰ち帰ればいいのだけで入手方法は問われていない。

ほかパーティーから奪ってもいいのだ。

だからモンスター戦と他の参加者のパーティとも戦う可能性があるということだ。

野党達とは護衛任務完了の際戦った事はあるが

他冒険者と戦ったりするのは経験がない。

これは気をつけなればならないなとローランは考えた。

次の日ローランは朝から起きていた。

今日は夜からイベントだから夜通し動く事になるが日課である剣の稽古は欠かせない

日々の鍛錬こそがいざと言う時の自信になると思っていた。

今回はもちろんメインでグレートソードを使う

砂漠なら振るう場所に困らないはずだ

一応予備にショートソードも持っていくが余程のことが無い限り使用しないだろう。

だが事対人戦になれば予想がつかないしかも相手となるのは難癖もある冒険者だったら尚更だ

剣の稽古をおえ軽く食事を取った後は武具の手入れをする、そして夜まで少し休む事にした。

次に目が覚めたのはもう日も落ちた頃だった。

酒場に行くとウォッカ、アップルジャックも来ていた。

3人は食事をした。

これから冒険なので今日はエールは控えておく

食事を終えしばらくして集合場所である砂漠入口に向かうのであった。

集合場所に着くと他の参加者達も集まっていた。

今回の参加者は総勢40名程で10組のパーティだった。

このカーン砂漠はかなり広い奥に行くのは相当の手練でも困難だった。

元々砂漠は火と風の精霊力が強くそして水と土の精霊了解が弱くなってできている。

シャーマンやエルフなればその能力で精霊力の強さが分かるのだかローラン達パーティにはそれらはいないので全く分からなかった。

しかし入口付近は比較的安全で砂嵐なども滅多に起きない。

エレミア国の管理下にあり

付近には国の墓などもあるらしい。

今回使用される範囲も国の管理下の範囲で一応安全のため付近に国の者も配備されているようだ。

時間前になり主催者が現れイベントの説明をした。

各パーティに渡された物は1つの布袋が渡されそれに光る石を沢山入れて持って帰った者の優勝になるらしい。

制限時間は夜明けの6時迄それまでに帰らないものは失格となる

また砂漠内で動けなくなったパーティも失格となり一応安全のために照明弾も渡された。

危険な時はこれを使用し位置を教える

それを見た主催者側兵士がそこに行きパーティを回収する運びとなるらしい

後は簡易的な地図行動可能範囲が記されていた。

行動は自由で範囲内であればどこに行っても問題ないとの事だった。

それと水袋中に水が入っている。

後は怪我や万が一死亡した時は自己責任みたいな誓約書を書かされた。

そんなことわやしていると時間になり

イベントが始まる合図が響く

「カーン、カーン」鐘の音が響き渡った

イベントが開始された。

ローラン達はまず北に向かった、地図によれば

北にはちょっとした水場があるようだった。

苔なのだから水場に沢山あるに違いない安易な考えだったが今はそれでよかった。

取り敢えず目的があればでいいと思えた。

他のパーティもそれぞれ違う方向に動いていた。

各それぞれに考えがあるのだろう

地図からすると約3km程先のようだった。

この簡易的地図がどれだけ正確かは分からないが頼る物が他には無い。

水場に着けば付近を捜索するつもりでいた。

地図の水場に着いた。

見ると水場というより水溜まりみたいな感じだった。

水嵩もくるぶしぐらい迄の深さしかない。

ローラン達はその水場に近づいた。

すると水の中から光ってるものがある

ローランは水の中に入りその光る物を拾った。

石だった、確かに薄くぼーっと光っていた。

石には苔は着いていないが不思議と光っている

おそらくこれが光る石なのだろうと思いアップルジャックに渡した入れる用の袋はアップルジャックが持っていたからだ。

更に付近を捜索する事にした。

水場付近の砂を確認している時、シュルルと音がした。

3人はそちらをみた。

特に何もいない、しかし砂が少し盛り上がりこちらに近づいてくる。

ローラン達は後ろに下がった。

ローランは

「サンドバイパーだ」

と2人に警戒を呼びかけた。

すると砂の中から蛇が現れた。

サンドバイパーとは砂の中を移動する蛇だ

体長は50cm~1m程で毒を持っている

噛まれても毒を貰うがこいつらは毒液を吐く事も出来る。

離れているからといって安全ではない。

出てきた蛇は3体どれも1m程のやつだ。

ローラン達はすぐさま臨戦態勢にはいる。

サンドバイパーもこちらを見てシャーと口を開け威嚇している。

1体がクネクネ動き近づいて来てピュッと

ローラン目掛けて毒液を吐いた。

ローランは冷静にそれを回避した。

もう1体がとぐろを巻アップルジャックに飛びかかる

アップルジャックもそれを難なく回避ししかも持っているダガーでサンドバイパーの横面に突き刺す。

ウォッカは接敵していて毒液を吐いたサンドバイパー目掛けてバトルアスクを振り下ろしていた。

あっという間に2体を撃破し後1体になったと思ってらその1体す姿はもうなかった。

砂に潜って逃げたようだった。

戦闘を終え更に付近を捜索すると後5つの光る石を見つけることが出来た。

これで合計8つまずまずの成果といったところなのだろうか。

次に移動を考えた。

水場はここ以外にも何ヶ所かあるがどれも距離があるその移動が正しいのか判断が出来なかったので近くの岩場等を捜索しつつ次の水場を目指す事にした。

砂漠の夜は予想以上に寒かった。

風も吹いていて砂埃が舞うので視界も悪い。

マントだけでなくゴーグル等も買っておけばよかったなとも思った。

それでも岩場に到着し付近を捜索して更に5つの光る石を発見出来た。これで13個

他のパーティの事が分からないのでこれが多いか少ないかの判断は出来ないがもし他パーティに出会ったら聞いてみるのもいいと考えた。

そんな時前方から人影が見えた。

ローラン達は一瞬警戒したが相手には争う意思はなさそうでフレンドリーに話しかけて来た。

相手もローラン達と同じ3人組で戦士、魔術師、シーフの組み合わせだ。

彼等は今15個の石を持っているらしい。

ローラン達より2個も多い。

ここより北にある水場ばは自分達が取り尽くしたからもうないぞ等と教えてくれた。

ローラン達より多かったので機嫌を良くした冒険者達はお前たちも頑張れと激励して去っていった。

北に行っても意味が無いとローランは考え西にあるもう1つの水場を目指す事にした。

しばらく歩いていて水場が見えてきた時の事だった。

西の水場ら辺の方角から『ぴゅ〜パン』っと照明弾が打ち上がった。

おそらくそこで何かがあったのだ。

ローラン達は急いでその方角に向かった。

近づくと戦闘の音と人の悲鳴が聞こえた。

ローラン達は戦闘態勢に入りながら近づいた。

1人の弓を持ったレンジャーがいた。

ローランは

「どうした?」

と聞いた。

レンジャーはあれと指さした。

指さした先には大きな物体があった。

それはサンドスコーピオンだった。

サンドスコーピオンは砂漠に住む蠍で

体長は3mにもなる大物だがここにいたやつは更に大きかった。おそらく5mはある。

よく見ると片方のハサミに人が挟まれていた。

彼等の仲間だろう。

もう死んでいるかもしれない

しかしそのままにする訳にもいかないのでローラン達も戦闘に加わる。

サンドスコーピオンはしっぽに神経毒を持っているそれに刺されると痺れて動け無くなるのだ。しかも外側全体は硬く鋼鉄のようになっている。

挟む力も強く挟まれたら金属鎧を着ていても致命傷を与えられてしまう。

ローラン達は慎重に距離を詰めつつ攻撃範囲に入るや否やグレートソードを振り下ろす。

サンドスコーピオンの背中に直撃するも「ガキ〜ン」と硬い物に当たる音がして弾かれた。

これは相当硬い狙うなら関節の部分かもしくは弱点の腹しかない。

腹の部分は比較的柔らかくなっており刃物が通る、しかしハサミをやり過ごしその腹には入るのは中々至難の業であった。

まさに命懸けの行為だ。

ウォッカもバトルアクスで攻撃を試みるがローラン同様弾かれしまう。

レンジャーの弓攻撃も全く意味が無い

そこでローランは一か八かアップルジャックに呪歌を歌わせる事にした。

いつもの聴覚を狂わせるやつではなく

安らぐ気持ちにさせるものだ。

モンスターに効くか分からないが隙ぐらいつくれるかもしれない。

アップルジャックはすぐに演奏を始めた。

するとサンドスコーピオンの動きが少し遅くなった。

ローランはよし効いたと思いグレートソードを構え渾身の一撃をサンドスコーピオンの顔目掛けて放つ、だがサンドスコーピオンもそれをハサミでガードした。

「ガキ〜ン」という音がしたが今度は弾かれなかった。

上手い具合にハサミの関節部分にグレートソードが当たったのだ。

その痛みで呪歌の効果は切れたのだろう。

サンドスコーピオンは怒り大きくハサミを振りかざした。

だがお腹が丸見えになっていた。

ローランはグレートソードを手放しそのお腹目掛けて自分の体を滑り込ませる。

背中を地面につき滑るようにお腹に入ったローランは腰のショートソードを抜きサンドスコーピオンの腹に突き刺す。ショートソードは特に抵抗もなく突き刺さった。

それを2度3度繰り返す。

腹からサンドスコーピオンの体液が出てきて砂漠に飛び散る。

その痛みにサンドスコーピオンは更に暴れる。

ローランは腹から外に出て落ちているグレートソードを拾うしかしサンドスコーピオンはローラン目掛けてしっぽを振りかざそうとしていた。

まずいと思った時

「うぉぉぉぉ〜」

ウォッカが両手でバトルアクスを振りかざし

サンドスコーピオンのしっぽ目掛けて放つ

サンドスコーピオンのしっぽとウォッカのバトルアクスがぶつかり合った。

どちらも負けじと激しい火花を散らす。

だがしっぽはローランに当たる寸前で止まった。

ローランはすぐさまグレートソードを広い上げ

隙だらけになっているサンドスコーピオンの腹目掛けて渾身の一撃で突くグレートソードは顔すぐ下ぐらいに刺さった、ローランはそのまま剣を振り下ろす感じで振り抜いた。

その一撃はサンドスコーピオンにとって致命傷となり体液を撒き散らしながら砂漠に崩れ落ちていった。

ハサミに挟まれいた冒険者を取り出したが

彼はやはり絶命していた。

そのすぐ後ぐらいに照明弾を見た国の兵士達がやってきた。

そして倒れているサンドスコーピオンを見て

「これはでかい、これお前達がやったのか?」

ときいてきた。

事の経緯を説明して彼等は冒険者の死体を回収してくれた。

それと脱落した冒険者達も一緒に彼等に着いて行く。

その前にレンジャーがこちらに来た

「助かったよ、ありがとう

奴は残念だったけどあのままだったら俺らも全然していた。

おれ達は脱落だからこれやるよ」

と彼等が集めた光る石をくれた。

ローラン達と同じく13個持っていた。

これでローラン達は26個になった。

激しい戦闘で少し疲れたので少し休憩する事にした。

そしてウォッカは

「中々ヒヤヒヤもんだったぞ、無茶しおって

さすがマイリーの神官ってとこじゃの」

と激励しているのか貶しているのか分からない言葉をいった。

いや、たぶん彼なりにローランの勇敢さを認めてくれたのだろうと感じた。

そしてローラン達は最後の水場となる南の水場に向かった。

しばらく歩くと冒険者の一行が経たり込んでいた。

ローラン達は様子を伺った彼等は

「やられたよ、石を奪われた」

と言った。

事情を聞くと、参加者にフレディ兄弟というシーフの兄弟がいた。

彼等はこのイベントの為に2人の用心棒を雇ったらしい屈強な戦士と魔術師を

そいつらをけしかけて他の冒険者から集めた石を奪って回っているらしいこと

彼等はこの先の水場によった時に奴等と遭遇し戦闘になり奪われたとの事だった。

戦闘も魔術師も中々の手練で戦闘に慣れているようでおそらく傭兵かなにかしてたのだろうと

ローランの正義感がそれを許せなかった。

彼等に安全にベースキャンプに戻れよと告げローラン達は南の水場に向かうのだった。

水場に着いた。

警戒して周りを見るが人影はない

しかし何処かに潜んでいる可能性もある警戒を強め周りを探索した。

ローランは決して警戒を緩めていなかった、しかし横にいたアップルジャックが「うぁ〜」と

悲鳴をあげた。

アップルジャックを見ると何やら糸みたいなのが体に巻きついてるそれはアップルジャックぜんを多った、アップルジャックはたっていられず簀巻き状態になり倒れた。

ローランは糸のきた方向を睨んだ

すると岩場の影から2人の男が出てきた。

見るからに人相が悪い2人だった。

おそらく此奴らがフレディ兄弟だなとおもった。

彼等は

「命が欲しくば持っている石置いてけ」

と悪党特有の決めゼリフを言う。

ローランはグレートソードを抜き構える。

「おっ、此奴やる気だぜ

そのグレートソードも中々の値打ちもんじゃねえかそれも置いていってもらおうかな」

と言う。

ローランは

「お前らがフレディ兄弟か、そこまでして勝ちたいのか?

このイベントを台無しにしやがって」

と怒りをあらわにした。

「なんだ、どこぞの冒険者に俺たちの事を聞いたのか?

なら話が早い、早く置いていけよ

痛い目見るぜ」

と続ける

だがローランが戦闘態勢に入っているので

やれやれという顔をして

「先生お願いします。」

と言うと岩陰からさらに2人出てきた。

1人はかなりの大男でローランよりもでかかった、もう1人はいかにも魔術師風の男だった。

彼等が金で雇われた傭兵なのだろう。

ローランは大男に向け剣を構えた

大男は大きな斧を持っている、ウォッカの持っている斧よりも大きくあればグレートアクスという両手持ちの斧だろうと推測出来る。

一撃の破壊力は武器の中でもかなり上位に位置する。

渾身の一撃をまともに喰らえば気とたまりもないだろう。

ローランは一気に距離を詰め攻撃を繰り出す。

だが大男はローランの攻撃をあしらった。

さすがに傭兵だけあって対人戦に慣れているようだ、相手の方がローランより1枚も¥枚も上手であった。

ウォッカも魔術師めがけて距離を詰める

しかし魔術師も詠唱を始めたウォッカが自分の攻撃範囲に魔術師が入る前に魔術師の詠唱が終わった。

そしてウォッカ目掛けて魔法を放つ

『ストッキングスプリング』

魔術師の手の杖の先から糸が出てきて

ウォッカに巻き付く、アップルジャックに使った拘束魔法と同じものだろう。

ウォッカの体はみるみるうちに糸に絡め取られ身動き出来なくなりその場で倒れた。

ローランは一緒のうちに仲間が2人身動き取れなくされ1人になってしまった。

その時大男は斧を大きく振り上げローラン目掛けて振り下ろす。

ローランはそれを間一髪でかわすことができた。

ドンっと斧は地面につきささり地面の砂を巻き上げた。

一瞬視界が悪くなったがローランは構わずグレートソードで横に薙ぎ払った。

大男はそれを斧で受けた。

お互い攻防が続く中魔術師の詠唱が聞こえてきた。

ローランはまずいと感じた。

大男の相手をしながら魔法が飛んで来たらかわせないこのままではやられると思った時

ローランの横を何かが素早く通り過ぎた。

通り過ぎたのアップルジャックで魔術師目掛けて突進している。

それに気づくのが遅く魔術師はかわそうとしたが間に合わずアップルジャックの突進をくらい詠唱が中断された、そして

「砂だその糸に砂を流し込め!」

とウォッカに向けて大声で叫んだ。

絡められた糸に砂を混ぜ込むことで拘束が緩み糸から抜け出してのだろう

それをウォッカに教えてるようだった。

ウォッカはそれを聞くと自身の体をゴロゴロ回転させて糸に砂を混ぜ込ませている。

アップルジャックと揉み合いになってる間は魔術師も魔法を使えない、その間にこの大男をなんとかしないといけなかった。

戦士としての力量は相手の方が幾分か上だった

ローランはこのままの武器での攻撃では勝ち目がない事を悟った

「戦士同士の戦いとしては邪道たがな」

といい神の奇跡をしようする。

ここの中で『神よ』と唱え

「フォース」といい前方の大男に向けて奇跡を放つ大男はその奇跡をまともに受け後ろに飛ばされた。

しかし態勢を少し崩したぐらいでまだたっている。

ローランは一気に距離を詰めた。

大男はそれを向か打つべく斧を振り上げる。

ローランはその斧目掛けてグレートソードを放つ「ガキ〜ン」と両者の武器がぶつかる音がした。

その時にローランは剣筋を変え斧を滑らせて地面に叩きつけた。

その衝撃に耐えられたくなり大男は武器を手放した。

そしてローランは剣の刃ではなく芯の部分で横になぎ払い大男にぶつけた。

大男は後ろに吹っ飛び転げた。

そしてローランは大男に向けて剣を突き付けた。

勝負ありだった。

一方アップルジャックは魔術師に絡み合う

詠唱をさせないように

魔法とは詠唱とその動作によって発条条件を見たして繰り出されるそのどちらかを封じてしまえば魔法は唱えられない

魔術師はそれほど力が強くないのかアップルジャックを払いのけられないでいた。

それを見かねてフレディ兄弟が魔術師の加勢に向かおうとしてシミターを抜いて近寄って来ていた。

だがこちらも拘束を解いたウォッカが向かっていた。

ウォッカは魔法で拘束された事に苛立ちを感じでいてアップルジャックの加勢に着くなりいきなりバイトアクスを両者で振りましていた。

それに威嚇されたフレディ兄弟は容易に近づくことが出来なかった。

そうしてる間なローランと大男の方の決着がつきフレディ兄弟立ちは逃げようとしていたが

アップルジャックがスリングでフレディ兄弟の片割れの頭を撃ち抜き気絶させた。

そして全員をロープで拘束して集めた。

フレディ兄弟はぶっ殺してやるなどまだ悪態を着いているがもう勝敗は見えているので相手にせず他のパーティから奪った石を取り上げた。

攻撃33個もの石を持っておりこのままいけば優勝していた事だった。

それをローラン達は戦利品として頂く事にした。これで合計59個になっていた。

此奴らをこのままここに置いて行くのは流石に危険と判断し奴等の持っている照明弾を打ち上げてその場を去ることにした。

夜もだいぶ空けてきてもうすぐで日の出になりそうになっていた。

ローラン達は急いでイベント会場のベースキャンプに戻る事にした。

そしてベースキャンプに戻ってきた。

戻るともう何組かのパーティは戻って来ていたようだった。

そしてまもなく終了のベルが鳴り響き渡った。

イベントは終了し早速審査が始まった。

他の冒険者はどれだけ持ち帰ったのか分からないがローラン達は自信があった。

審査の結果が終わり優勝者が発表される事となった。

優勝者パーティは「スクラッチ」と発表された。

一瞬自分達の事と分からなかったが

ローラン達は59個石を持ち帰り断トツの優勝だった。

奴等から奪った石が大きく役に立ったのだった。

もちろんその場で賞金の2000ガメルを手にして副将のマジックアイテムである魔除のお守りも手にできた。

このマジックアイテムは今回の功労者であるローランがもらい受ける事になった。

他冒険者からの賞賛も受けられた。

その人組はフレディ兄弟に石を奪われてたパーティで

「彼奴らを倒したのか?

やるな!ありがとう」

と感謝と激励をくれた。

ローラン達はイベントの優勝を酒場で盛大に祝う事にした。

酒場で沢山の酒と料理を注文していると

他冒険者達も優勝おめでとうと激励してくれた。

夜もだいぶ老けローランは思い出していた。

あの大男との戦闘を戦士としての力量では歯が立たなかった。

しかし冒険者としての戦いとしては勝利を収めることが出来た。

今はそれでいいと思い自分の信仰に感謝するのだった。

そしてウォッカに言われた

「ほんとお主は無茶ばったりするのぉ

あの蠍にしても大男の時にしても見てるこっちがヒヤヒヤもんじゃったは

しかし中々いい判断じゃったほんとマイリーの神官は勇敢というか無謀というか早死せなんだらいいけどのぉ」

と彼なりの激励を受けた。

ローランはグラスの残りの苦いエールを一気に飲みほしたのだった。


依頼:【エレミア迄の護衛】

報酬:前金200ガメル、成功報酬200ガメル

依頼【砂漠の捜し物イベント】

報酬:優勝者のみ2000ガメル副賞マジックアイテム、魔除のお守り

経験点:2000点+α

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