第3話初めての依頼
3人が酒場で待っていると店に1人の商人風の男が入ってくる。
そのまま店主の所に行って何やら話している。
仕事の依頼か?と期待を膨らませていると
店主から声をかけられる
「おい兄ちゃん達依頼だ!」
待ってましたとばかりに意気揚々と立ち上がり
店主の元に行く
店主はその商人風の男をローランド達に紹介する。
「商人のトーラスさんだ」
「ラムリアーム迄の護衛をお願いしたいそうだ。」
ラムリアームはファンの隣に位置する国で
古くから残っている綺麗な街並みがあり
森や湖に囲まれた豊かな国だ
有名なのがユニコーンの森と呼ばれる森で生息数の少ないユニコーンが存在する。
また精霊騎士が属する魔法騎士団もある。
ファンからの道のりなら徒歩4日程で行ける距離でもある。
ラムリアーム迄ではあるがオランに1歩近づけるのでローラン達はその依頼を受ける意向を見せる。
トーラスもラムリアーム迄なのでそれ程心配もしてないらしい。
これでローラン達の初めての依頼が成立した。
報酬は前金で150ガメル、到着後成功報酬でもう150ガメルだ。
道中にかかる食料などはトーラスが持ってくれるらしい。
中々良い依頼だ。
出発は出来れば早い方がいいとトーラスが言うのででは早速向かおうとするが
見せの主人はあまりいい顔はしていない。
「まぁそう急がずに明日の朝からにした方がいいんじゃないか?」
店の主人は言う
「最近街道沿いにも盗賊だけでなくモンスターの目撃情報もあるからもうすぐ日も暮れるし明日の朝からの方が無難だぜ」
しかしトーラスは早くラムリアームに行って商売したいのだと主張する。
「お言葉はありがたいが
儲けの為に少しでも早く行きたいんですよ
その為に冒険者を雇ってるんだから」
と言う。
依頼人にこう言われては従うしかないので
やはり準備出来次第すぐの出発することになった。
商人はロバに荷物の乗った台車を引かせて歩く
馬車に乗って移動などは出来ずみんな歩きでの移動となる。
この様子ではラムリアーム到着は早くても4日後の昼位になりそうだ。
とりあえずファンから伸びている街道沿いに歩く事にした。
ファンを出て間もなく日が落ち1日目の夜営が始まる。
流石に夜動くのは危険なので火を起こせる場所を探しそこに簡易テントを張り夜をやり過ごす。
簡単な食事を終えると商人もロバも休み
ローラン達は盗賊やモンスターに襲われ内容に順番に見張りを行う。
見張りは3時間毎に2人づつで交代で行う。
まずはローランとウォッカ、次ローラントアップルジャック、そしてアップルジャックとウォッカという順番に朝日が昇る迄行われる。
1日目の夜は特に問題なく朝を迎える事が出来た。
軽く朝の食事を終わらせて早速出発する。
昼間の街道にはファンに向かう商人や冒険者も行き交いお互いの情報交換等もする。
街道沿いのどこら辺で盗賊がよく出るのかとか
モンスターの多い所などだ
そういう情報は貴重でなるべくそこを避けて通ったりその付近では夜営をしないようにできる。
その中で1つ気になる情報を得た。
最近ラムリアーム近郊ではゴブリンの被害が相次いでるらしい。
畑が荒らされたり家畜が盗まれたり等だ。
中でも酷いのは女、子供を連れされてるのもあるらしい。
ゴブリンには雌が居なく数を増やす為には人間の女が必要になる
女を犯し子供を産ませるのだ
ゴブリン共はそうやって数を増やす。
しかも繁殖力が高くほおって置くとすぐに数を増やす厄介なモンスターではあった。
勿論街では冒険者を募り討伐依頼も出してるらしい。
国の兵士は基本街の治安を守ったり、国同士の戦争には駆り出されるがモンスター討伐、ことにゴブリン退治ごときではほぼ動かない。
そういうのは冒険者の仕事みたいな風になっている。
まぁドラゴンとかなら別だろうが
ゴブリンを討伐してもなんの自慢にもならないからだ。
ローランはこれはラムリアームでも仕事にありつけそうだと喜んだ。
そんなこんなで2日目も日が暮れ今日の夜営の場所を探す。
昨日同様軽く食事を済ませたらトーラスやロバは早々に休んでローラン達は夜営の見張りを行う。
街道沿いとはいえ夜は暗く自分達の焚き火ぐらいしか灯りはない。
周りは木で囲まれており誰かが潜んでても分からないぐらいだ。
動物が動く音や野鳥のなく声も響き渡る。
だが2日目の夜も無事過ごし3日目の朝を迎えた。
準備をして早速出発、ローランはこの依頼も約半分終了し今迄何事もなく過ごせてる事に少し安堵していた。
昼の食事休憩中に問題は起こった。
トーラスが昼の食事準備をしていた時
街道沿いの周りの木々からガサガサと物音がした。
そこにはウルフが8匹程いた。
おそらく食事の匂いにつられて来たのだろう。
お腹が減っているのか
涎を垂らしながらこちらに少しづつ歩み寄る。
ローラン達は襲って来ると思い
臨戦態勢に入る。
ウルフ達はローラン達を囲むように広がっている
ローランはトーラスに下がってテントの中に入っているように流す。
ウルフ達は見た目からして少しやせ細っていた。
ジリジリ滲みよって来ていてそのうちの1匹がローランに飛びかかる
それをローランはすっと避けてウルフが着地したと同時にグレートソードを振り降ろす。
「キャイン」
一撃を喰らったウルフは堪らず鳴く
ローランの一撃はウルフに致命傷を負わせる事に成功した。
だが他のウルフもウォッカ、アップルジャックに襲いかかるウォッカか自慢のバトルアクスふ振るいそれらを撃退している
アップルジャックは回避に専念してウルフ達をやり過ごすローランはアップルジャックの方に加勢に入りウルフ達をなぎ払う
ウルフ達はこれは勝ち目が無いと感じ早々に引き上げて行った。
周りにはウルフの死体が4匹転がっていた。
トーラスは戦闘が終わったのを見計らってテントから顔を出し
「追っ払ったのですね
さすがです。」
と満足そうに微笑む。
そしてウルフの死体を見て
「これは戦利品ですね
肉は食料になる毛皮は加工すれば売れそうです」
といい死体を回収する。
ローランは最初の戦闘とさてはまずまずだと手応えを感じていた。
相手の動きも良く見えていたし、自分の剣の一撃も有効打になり得た実感があったからだ。
ウルフの死体はその場でトーラスが裁き肉、骨、毛皮に分けられた。
肉は道中での食料や干し肉などの保存食にもできる。
とはいってもウルフ自体がやせ細っていたので
それ程の量の肉は取れなかったのだが
骨や毛皮は加工すれば装飾品にもなりうる。
また昼からも移動を行い、ラムリアームに向かう。
そして3日目の夜が来た。
ラムアース迄あと1日程、上手く行けば明日の昼過ぎにはつけるかもしれないと思い少しの達成感がローランにはあった。
しかし本当の問題はこの3日目の夜に起こる事となる。
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