第2話 マッチングアプリを始めてみた
渋谷はいつ来ても同じ景色で安心できる。
私は今日、『マッチングアプリ』で知り合った男性と会う約束をしている。
『マッチングアプリ』・・・最近では『出会いのツール』として主流で、沢山の種類が溢れている。
私が選んだやつは友達もやってた割と真面目な出会いができると有名な『Lovers』というアプリ。
嬉しい事に女性はどのアプリでも基本お金をかけずに始めることが出来るため私も今回軽いノリで始める事にした。
男性は月額料金がかかる物がほとんどでしかもそこら辺のサブスクとは値段の相場が違く始めるのにはそれなりにリスクがかかると思う。
私は、プロフィールに自分の盛れた他撮りの写真とおしゃれなご飯をバランスよく乗せ雰囲気作りにこだわった、そのお陰でいいねの数もかなり多く貰えている。
需要と供給のバランスで女性がにいいねを沢山もらえるのは当然かも知れないが私は顔とスタイルには自身がある。
他のユーザーと比べても高いランクにいると思うし、多分アプリ内で無双するのも苦労はしないだろ。
今日、渋谷で待ち合わせている人は写真だけ見てもイケメンな部類でレベルが高い。
たまたま予定があって、マッチしてからまだ三日間くらいしか経ってないが会う事になった。
相手の事がよく分らないので「会う前は電話をしたほうがいい」と良くく耳にするが、正直電話とか面倒くさいから出来ればしたくない。
それに結局会ってみないとよく分らないから意味が無いと思う。
十九時前、話し合って決めた待ち合わせ場所はハチ公前改札を出てすぐの壁側だ。
「ひかるさんだよね?」
彼を待つこと数分、スマホで自分のビジュアルを確認していたら声を掛けられた。
「はい!潤さん?ですか?」
「そうです!初めまして!」
「初めまして!」
この初対面の感じはどこか見えない気まずさがあって目をそらしたくなる。
初対面の同い年の彼は誰が見ても思う「イケメン」だ。
韓国風のセンターパートに身長が高く、綺麗目のコーデをしている。
マッチングアプリで初回からこんな良いくじを引き当てたのかと思うと、私はなんと運がいいのだろう、それとも努力で培ったこの顔とスタイルのおかげなのか・・・・
「ひかるさんめっちゃ可愛い!」
「本当ですか?ありがとうございます!潤さんもめちゃくちゃかっこいいです!」
社交辞令感覚で言われた「可愛い」という言葉に嬉しさは感じない、でも恋人いない歴=年齢の私にはこういった緻密な会話も貴重な経験値になる。
あわよくば、このまま恋人歴をここで生み出したい。私はそんな淡い期待を感じ心の中でステップを取る。
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