第十一話仮面の奥の優しさ(ペルソナペネトラーレテルヌーラ)
第十一話仮面の奥の優しさ(ペルソナペネトラーレテルヌーラ)
私はジェイソンさんを探すためヤスナとハルナと共にギルド内に入った。
絶対怯えられてるよな私。
私の向かった受付窓口にいたのはエマだった。
エマは私が受付嬢時代の後輩だ
事務作業をよくしてくれてほんと助けられた
エマならこのギルド以外でも雇ってもらえると思うんだが……そう簡単に辞められる場所じゃないもんなここ。
いつもは事務作業で受付対応まではしないエマがいるということはそれほど逼迫しているということなんだろうな……エタニティドラゴンが現れたってなりゃ、そりゃそうなるか
「きょっ今日はどのようなご用件ですか冒険者様?(どうして私が受付対応しないといけないのぉぉ!! 私一人で黙々と出来ることのほうが得意なのに!! 受付対応なら絶対私以外の方が良いって……それに今日のこの人とても)綺麗だなぁ」
はぁ、エマのやつ集中出来てないな、それにエマが受付にいるってことは今事務作業が止まってるだろうな。エマが事務作業のほとんどを一人でしてたから……仕方ねえ
「なあエマ今ってジェイソンさん居るか? いるんだったら呼んで欲しいんだが」
「冒険者様どうして私の名前……あっ申し訳ありません!! ジェイソン様でしたら今奥の事務所におられますので呼んでまいりますので少々お待ちください!!」
エマはそういい走って行った。
六分後
エマがジェイソンさんを連れて戻ってきた
「お待たせしました冒険者様、ジェイソン様を連れて参りました……ジェイソン様私の代わりに事務作業ありがとうございます」
この時代に戻ってきて初めてだよなジェイソンさんに会うのは。
「エマ呼んでくれてありがとね。ごめんね慣れない受付対応させちゃって、事務作業に戻っていいよ…………そこの冒険者私を呼ぶとは何の用だ」
あれジェイソンさん仮面付けるの忘れて……
「ジェイソンさん仮面付けるの忘れてませんか?」
私がそういうと
「何を言っている、私が仮面を付け忘れるわけ…………あれ……嘘でしょ、付けてない(どうしようもしかしてお風呂入るために外してそのままつけ忘れちゃった!? それとも少し仮眠を取るために外した時かな……早く取りに行かないと!!……でもまずは)んっん、先程は取り乱したが用件を聞こうか冒険者」
私はジェイソンさんにエタニティドラゴンの件とミツル・ヤオトメの件を伝えた。
あと私の名前も……さすがに冒険者って呼ばれては誰のことか分からなくなりそうだからな……だってここ冒険者ギルドだぞ!!
それにまあジェイソンさんにはお世話になったし名前くらいなら教えてもいいよな。
「そうか……それでヤスナ、ハルナはギルドの仕事もせず喧嘩をしていたと……その時にエタニティドラゴンに遭遇して逃げてきたと
ヤスナ、ハルナ!!」
ジェイソンさんがヤスナとハルナの名前を叫ぶと二人が
「「はっはい!!」」と勢いよく返事した。
「よく生きて帰ってきてくれた!! 仕事をしなかったことに言いたいことはあるが、二人の命の方が大切だからな(本当よかったぁぁ二人の姿がずっと見えなかったから誘拐されたりしたんじゃって思って二人の行方が何かわかるかもって普段しない事務作業をしてたから。もしかしたら二人の特徴に似た人を探して欲しいみたいな依頼があるかもって思ったりしたから本当は自分で探しに行きたかったけど、私が探しに行った時にギルドのみんなが冒険者に襲われたらいけないから……なんとか対応出来る距離で探せる方法が事務作業って思ったんだけど、本当見つかってよかったぁぁ。あとは)問題はエタニティドラゴンか。ギルマスを説得できるかどうか…………あっ、そうか……ギルマスの説得は私に任せてくれ!! それとヤスナとハルナは少しでもいいからギルドの仕事を手伝え……ヤスナは受付対応を頼むハルナは…………受付待ちの冒険者たちから何か情報を聞いといてくれ!! 戦闘行為は禁止だからな。それじゃあギルド本部に行ってくる(仮面なしでもなんとか話せたよぉぉ……うぅ、やっぱり素顔を出すのは恥ずかしい……けど今は泣き言は禁止。エタニティドラゴンをどうにかしないとたくさん人が死んじゃうし辛い思いをする人が増えちゃう、それだけはダメ!! 説得が無理だった場合は……私が時間を稼ぐとしてあいつらには他国にこの危機を伝えてもらうとしよう……しかし隣国のレスカ王国に伝えたとして王に問題があるって聞いたし養子として迎え入れられたリオン王子は行方不明ときた、ちゃんと民を守れるのか不安しかないけど軍自体の強さは認めている…………今は考えに耽るよりギルマスのところに向かうことを優先させよう)」
ジェイソンさんはそういい走り出しヤスナとハルナはジェイソンさんに言われた通りにしていた。
私は久しぶりに一人になったから森に向かっている。
ちなみにキョウヤは『俺はこいつを見張っとくからユリアはあと好きに動いてくれ』といいミツルの監視をしている。
…………もうそろそろ頃合いだよな
「お〜い、いるんだろ出てこい!!」
出てきたのはリオンの部下のニコラとデュラン
「あっれ〜なんで分かったんすかねこの人? 分かるっすかデュラン?」
「俺に聞くな……ニコラこいつはリオンのことを知ってるやつだぞ、俺たちがつけてることぐらい気づいてもおかしくないだろ。それでユリア、何の用だ」
まあ聞いてくるよなと思いながら私はこう答えた
「今エタニティドラゴンが現れたんだ。だからあんたらの力を少しでも貸してくれないか?」
デュランは「それが人にものを頼む態度か?」といってきたのでその後真面目に答えた。
するとリオンが現れこう答えた
「よっ、話は聞いた。デュランとニコラは少し周囲を警戒してくれ。俺たちが力を貸す条件として手伝ってほしいことがある。それに協力してくれるならお前のことを手伝ってやる(まあエタニティドラゴンが現れたんだ断られたとしても俺たちは力を貸すがな)」
私はリオンに何を手伝ってほしいかを聞いたが何のことかは前の時代に知っている。
それはリオンの父を殺して無理矢理王族の養子にしたレスカ王国の王を殺すこと
前の時代ではリオンはレスカ皇王を殺し自らが王となり別人になったように悪虐の限りを尽くしたことから他国から"狂乱の龍王(フランティックドラゴンロード)"と呼ばれた。
あとで知ったことだがリオンが変わったのはギルドを潰すためだったと。
私はリオンの手伝いをすることを伝えた
ギルドの受付嬢になった私は過労死ならぬ過労不死になってしまったので、今までの鬱憤を晴らすために冒険者になり元同僚たちをこき使ってやる! 暗黒神ゼブラ @ayumu20
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