第十話輪廻の循環(ゼーレンヴァンデルングサイクル)
第十話輪廻の循環(ゼーレンヴァンデルングサイクル)
一方その頃ハルナとヤスナはというと
やっとあのハルナにやり返せる。
今までハルナに……やられてばかりで腹が立っ てたから……私がやられた以上にやり返す!!
私の能力は別にそこまで強いわけじゃない……だからこのギルドに入れる条件の最低レベル500になるために死ぬ気で頑張った。
本当に何回も死ぬかもって思ったよ……
なのにギルドに入ってから毎日のように先輩方にやられる毎日……私は本当なんのために頑張ったんだろう。ギルドに入って四年ぐらいして……こんなことならもういっそのこと……って思った時にユリアさんが助けてくれた。
それにやり返す機会まで……本当に感謝しないと。
ちなみに私の能力は『加虐変換・力』他人をいじめたり、傷つけようと思う心の強さを力に変換させる……というものらしい。
今まで強く誰かを傷つけようなんて考えたことがないから……たまには考えること
だってあるよ……まあ気持ち的には弱いかもだけど……あの人がこけたらいいのにとかあの人が小指をタンスにぶつけたらいいのにとか、いろいろと。
私はいつも能力に頼らず戦ってきた……でも今回ぐらいならいいのかな?
でも一度頼ってこれから能力にずっと頼り続けることになっちゃったら私……最低な人になっちゃう。
神さまはどうして私にこんな能力を……でも今は能力無しでも少しは戦えるようになったんだから!!
私がそう考えていたらハルナが
「戦えばいいんだろ……いつもみたいに地べたに這いつくばってろ!!」
そう言いながら走ってきた。
「いつもと同じだと思わないで!!」
最近覚えた技だけどさっそく使ってみよう
『想像の具現化(イマジナシオンインカーネーション)!!』
この技は自分の想像したものを具現化することができる。
私が想像したものは剣と槍を合わせたような武器……だけどトライデントとは少し違うようなものを想像した。
実際に具現化したものは想像通りのものだった
「なんだよ、その武器!!」
ハルナが驚くのも分かる。
まあ分かるけど……今は戦いに集中しないと
私はまず狙った場所は脚だ。
理由は動けなくするためだ。
私にはやり返す時のために狙う箇所の順番を考えていた。
相手の脚をまず壊し動けなくしてから腕を壊し反撃出来ないようにして背中を狙い最後に頭を狙う。
さすがに殺すのはいけないと思ったのでちゃんと私がやられた時のように回復魔法を使うよ。
「それじゃあ行くよハルナ!!……そぉ〜れ!!」
そして私はハルナの脚を壊そうとしたのだが……さすがはあのギルドで職員をしているだけはあると感心してしまう。
なぜなら……避けられたからだ
「遅せ〜んだよ!! こんな攻撃が私に当てられるわけないだろ!!」
でもまあ私の攻撃は避けられてからでもいくらでも対応出来る。
何個も武器を創造し続ければいいんだから
私はハルナを囲むように武器を創造し召喚した。
「これで逃げ場はないねハルナ……これで逃げられたらいやだから……追加で二千本召喚するね」
召喚した中に弱い毒の塗りつけたのを三十本ほど用意した。
痛み自体は弱くしてある。
殺すほどじゃなく……小指をタンスにぶつけたような痛みだ。
私はもう順番よりも痛めつけることを優先させている気がしてきている。
このままでは……自分の能力に飲まれてしまうかもと思いながらもこの召喚した武器をハルナに向かわせた。
場面は変わり
ユリアが途中で異世界転生したとか宣っている犯罪者の男をその男に家族をやられた男と一緒にジェイソンさんのところに連れて行っている。
私はジェイソンさんのところに連れて行くまでに出会ったこの私を一瞬で殺すとか言ってたこの雑魚とこいつを連れて行っていた時に出会ったこいつに家族を殺された男とギルドに向かっている。
その時森の方角から無数の武器が飛んできた。
すると私に担がれている雑魚……そういえば名前聞いてねえな。ていうかこの二人の名前知らねえんだけど……まあそこまで困らねえとは思うけど呼ぶ時はさすがに困るな
聞くか
「おい私に担がれてるお前の名前聞いてねえから教えろよ」
すると担がれている雑魚……男は
「今聞くな!! つーかお前はこの飛んでくる武器を避けてくれ!! 俺一人だったら当たるんだよ……死んじまうだろうが!!(つーかなんで今俺の名前なんか聞くんだよ……つーかあの神俺のこと放って何してんだよ!! あの言葉は嘘なのかよ!!
回想
『今からあなたを異世界であるナパロに転生させます。私たち神々は一定の期間自分が転生させた人間を全力で護ります。あなたたち転生者にはやってもらいたいことがあるのです……それはギルドの長を殺してほしいのです……まあ理由はあのギルドで働いた後に死んだ魂がドス黒い色になってしまって……生まれ変わることを拒否してしまい輪廻の循環が途切れてしまい、このままでは世界自体が滅んでしまうからです。私たち神々にとっては寝る間も惜しんで頑張って作った世界ですから……滅んでしまったら……なんのために徹夜したのか分からなく……って個人的なことは置いておいて、お願いしますね
回想終わり
ってよ護ってくれるんじゃなかったのかよ。
あんたたちが護ってくれなかったせいで今俺はこの女に担がれながらどっか連れてかれてんだぞ!! しかも俺が殺したやつの家族かなんがか知らねえがそいつにも狙われるしよ、ほんとざっけんなよ!!……俺の名前なんて誰も覚えるわけねえだろ……いや、覚えられてもいじられるに決まってる。この八乙女光流(やおとめみつる)って名前は……あんときイジメられて自殺しなきゃよかったかな。俺が本当殺したかったのは……こんなキャラを演じるためには……分かってるんだよ俺がやったことは人殺しだ。これから連れて行かれてどうなるかは知らんが……もし強くなれるなら……俺をイジメたやつが来た時にすぐに殺せるまで強くしてもらうか……俺はもう逃げねぇ……)
……分かったもう諦めて言うわ。俺の名前は八乙女光流……こっちの言い方だとミツル・ヤオトメだ……覚えようが覚えまいが俺はどっちでもいいんだからな!!……って担がれながら俺は……」
「ミツル・ヤオトメねぇ……でお前は?」
私はミツルに家族を殺された男にも名前を聞いた。
「俺か? 俺はキョウヤ・マツバヤシだが……どうした突然……しかもこんな台風直撃の時の雨のように武器が飛んできている時に」
聞かれたから私は答えた
「そういや名前聞いてねえなぁって思ってな、それに名前知っとかないと呼ぶ時困るだろ……それじゃあもっと速度上げるか」
そして私は走る速度を上げた
「おい、待てよ!!」
一時間三十分後
やっと着いた。
あとはジェイソンさんを探してミツルを渡すだけだな…………ンン? あっちから来るのは……ハルナとヤスナじゃねえか!!
「二人ともボロボロだな……結果はどうなったんだよ」
そして二人は
「「引き分けよ」」
と答えたんだが……引き分けなんてあるのか?
「なんで引き分けなんだよ?」
するとヤスナが
「二人とも気絶したの……意識が戻ったあと戦おうとしたんだけど……二人がかりでも勝てない魔物が来たからユリアさんがここに来てると思って……」
二人がかりでも勝てない魔物……まさか
「エタニティドラゴンか?」
私がそう聞くとハルナが
「そうだよ……あいつ相手だとどっちも死ぬだろ……あんなことばっかやってる私でも少しぐらいは良心が残ってたんだよ。(本当は私一人で逃げることも出来たが、私のボロボロの身体で逃げるより二人の方が逃げ切れると思ったから二人で逃げたけどよ……一人で逃げられるんだったヤスナを囮にでもして私だけでも逃げるんだよ!!)」
エタニティドラゴンその単語を聞いた周りの人は怯え騒ぎ始めた。
エタニティドラゴンとはこの世界が出来た時から生きている伝説のドラゴン。
そして子供のころから『ドラゴンとお姫様』としてエタニティドラゴンの恐ろしさなどは語られ、よく聞かさせる。
通常のドラゴン種より格上であり、人間では勝てないとされている生き物だ。
こんな時に頼りたくねえけど頼らねえといけねえ存在があのギルドマスターなんだよな……あの人ぐらいの強さがないと、かすり傷すらつけられない。
そういう『伝説の生き物に勝てる人間を作るんだ』とジェイソンさんはよく言っている。
ジェイソンさんならギルドの中にいるだろうから探してみるか……いてくれればいいんだがなぁ
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