第五十話『これからのあらすじ-time spiral-』
ある時、人類を進化させようとする計画があった。
計画を立てた人達は邪悪な神を人類の敵と
ある時はデザインベビーで新人類を作ろうとし、またある時は生まれた赤ん坊を
「何故、この世界は不完全で苦しみに
この様な事を幼い頃から教えられ続けているのだ。それが正しいと思うし、それ以外の生き方等分かる筈も無い。
そんな
彼等の計画下で育てられた子供は
そんな物は新人類や、人類の進化ではない! と、そう言う人も居るだろう。
しかし当人らにとっては大きな
そんな事も有り、計画を立てた人達は更なるデザインベビーを、更なる過酷な環境を、更なる洗脳教育を子供に施そうとしていた。
「更なる計画を! 更なる進化を!
計画に携わっている人達が死んだ、全員死んだ。
誰かに殺された訳では無く、検死の結果は
計画の子供達は親も計画に携わっていたので孤児となり、施設へ行く事となった。
その際、この子供達の持っていた
要領が良い者が居て、他の子どもと協調性を持つ者が居て、大人を頼る事を
しかし、計画に組み込まれた子供の内の一人はついぞ見つからなかった。
計画の関係者が一斉に心臓麻痺を起こした事も不可解だが、資料が残っている一人の女の子がどこを探しても居なかった事も不可解だった。
誰がどう調べても全く捜査が進まないため捜査は切り上げられたが、一番不可解なのはどこをどう探しても手掛かりが皆無な事か。
それこそ可能な限り、国内は勿論、外国も含めてくまなく調べたが、女の子の行方は
* * *
店の中では、
「アイネさん、大丈夫ですか? もし辛いようでしたら、奥でお休みになりますか?」
そう声をかける従業員の男性の言葉に、店主の女性は意識を
「いいえ、大丈夫よ。ちょっとうたた寝してただけ……そうそう、さっき夢に私がまだ小さい頃の事を見たわ! おかしいわよね、まだ物心がつく前の事なのに、自分の過去だって何故か分かるの」
寝ぼけ半分、内心
「物心がつく前のアイネさんか……どんな女の子だったんですか?」
そう尋ねられた店主の女性は、自分の眉間に指を置いて語り始めた。
「そうね、その頃の記憶がすごくあやふやで、覚えているのはお医者さんらしい人が
「家出したんですか? 物心ついてない筈の
店主の女性の言葉に、従業員の男性は
「そうよね……でもあの時、私は子供故の全能感とでも言うのかしら? 自分は今も昔も何でも出来ると思って、家出をした記憶が有るの。未来永劫あの家に戻るもんか! って、変な話よね?」
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