第四十五話『皇帝陛下の素晴らしき指輪-the blind idiot daemon-』
「つまり、これは童話に出て来る様な
店の中では、客の男性が
「ええ、うちにある商品は全て本物よ。これは本物の魔法のランプ、これを
店員らしい女性は客の男性の疑う様な
「本当か? 何でも願いが叶うなんて
「
店員らしい女性はそう言って、そのランプを客の男性にまるで強制するかの様に持たせた。
これに対し、客の男性は全く店主の女性を信じていない。
疑いの目で女性とランプとを眺めており、何でも願い事が叶うだなんて虫が良すぎる詐術の
「どう言われても全然信じられんね、それだったら俺に王様の様な
そうバカにする様な口調で、
「あら、お電話かしら?」
そう尋ねる店主の女性を無視し、客の男性は携帯端末を確認した。
「何々?『調査の結果、あなたは皇帝の
客の男性は携帯端末に舞い込んだ通知に目を白黒させたり、目を剥いたり、目を回しそうになった。
何せ、王様の様な暮らしをしたいとランプに願った
普通ならばドッキリ企画の類を疑うところで、今
「おい、あんた、これはどう言う仕組みだ?」
客の男性は震える声で、店主の女性に尋ねる。
自分の身に起きた事が信じられないのが半分、今すぐこのランプとその恩恵に飛びつきたい気持ちが半分と言った所か。
「魔法よ、何せそれは魔法のランプだから」
店主の女性の要領を得ない返答に、客の男性は
本当に何でも願いが叶う魔法の指輪だと言うのなら、地球
彼の脳内には、ビル群や戦車をなぎ倒して
彼は自分で自分の妄想に圧倒され、同時にこのランプが本当にそんな力を有していると仮定したら恐ろしい物だと鼻で笑いながら、小バカにした様に指で擦りながら言った。
「全く信じられないな、こんな非現実な物は夢としか思えない」
「あっ」
「あっ?」
朝になり、目が覚めた。何かすごい夢を見ていた気がするが、詳細は全く覚えていない。
もっとも、夢なんてものは
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます