第四十四話『子供達と共に成長があらん事を-Evlove-』
私はモンスター育成ゲームが好きだ。
特に主人公の傍らにモンスターが居て、成長して
私はモンスター育成ゲームが好きだ。
頼りない体躯のモンスターが、パートナーの人間を大きく上回る体格になる成長の前後の変化が好きだ。
私はモンスター育成ゲームが好きだ。
好みのキャラの前期と後期のデザインや
私はモンスター育成ゲームが好きだ。
何なら、主人公とモンスターではなく、パイロットとその
後期機体への乗り換えてのリベンジなどは、心が湧かない理由がない。
私はモンスター育成ゲームが好きだ。
私はモンスター育成ゲームが好きだ。
主人公自身であるモンスターが、精神性が変化する事で別形態に変貌するシーンがある作品は絶対に好きだ。
とにかく、私はモンスター育成ゲームが好きなのだ。
「ふーむ、この人もダメね。どう言う道に分岐しても、期待通りに成長する姿が全く見えないわ……」
壁面にツタが這って幻想的な雰囲気のする、昔の映画かアニメで見る様な、おまじないの品々を取り扱う小さな小間物屋に、飾り気の無いシンプルな黒のイブニングドレス風の姿をした、
店主の女性が口から
「アイネさん、何かその映像で気になる事でもあったのですか?」
そう店主の女性に声をかけたのは、どことなくナイフの様な印象の
「気になる事ね……ええ、この間ここでリボンを買って行ったお客さんの顔、ちょっと気になる事があったんだけど気のせいだったわ」
店主の女性は従業員の青年に対して、何かを
「それならいいんですが、そのお客さんが気になったのってどんな理由でですか? もし問題が無ければ気になるので聞きたいです」
「うんう、大した事じゃないの。そうね……あのお客さん、ひょっとしたらこの宇宙を統べる新人類たる光のイヴにでも進化するんじゃないかしら? ってそう思ったの」
そう冗談めかして語る店主の女性に対し、従業員の青年は何を言っているのか理解出来ない様子で呆然した。
「光の……何ですって? ゲームか何かの話ですか、それ?」
「ええ、まあそんなところよ」
そう言う店主の女性の携帯端末には今、従業員の青年の顔が中心に写っており、その周囲には網か樹木の様なグラフを形成する形で『進化条件』と書かれた
「またいつか、しゃんとした人数を揃えて、お休みの日にみんなでゲームでもしたいわね……」
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