閑話:密会
「皆さん出て行ったね」
「そうですね、、、それでご用件は?」
「あら、やめてくださらないかしら、貴女がそんなに他人行儀だとむず痒くなってしまいます」
「ふぅ、、、それで、話って言うと、、、ってか、話していいのか?」
「えぇ、構いませんよ?ちゃんと対策してありますから」
「あぁ、いつものね。で、戻すんだが、話っていうとやっぱり特務関係か?」
「えぇ、さすがエブリィさんですね。まさしくその通り」
「もしかしてトラブったか?でも、あれってたしかあの不死身のおっさんが直々に行ったはずだろ?あいつに限ってポシャるともおもえねぇが、、」
「いえ、むしろ真逆とも言えるかもしれません」
「とゆうと?」
「ベル隊長が南にある森林地帯に行ったのはご存知で?」
「まぁ、知ってるっちゃあ知ってるが全部は知らねぇな。そもそも特務の動きなんて直轄ですら知らないだろ?」
「うふふ、もちろんです。少しカマをかけてみました」
「おぉ、こわっ。で、南の森っていうと、もしかして最近魔物の襲撃があった?」
「えぇ、シーズの近くです」
「ってこたぁ、残党か?」
「かもしれないと、通報がありました。」
「、、、なぜ、特務が?言っちゃあ悪いが、よくある話じゃないか?」
「それは私の勘です。なぜか隊長に行かせた方が良いような気がしたのです」
「あぁ、いつもの。その勘ってやつ、もしかして未来視じゃないのか?」
「そんな良いものだったら、人類はすでに勝利してますね」
「まぁ、それもそっか、、、それでアタシに話とは?」
「この特務派遣を皮切りにおそらく一気に全てが動き出すかもしれません。良い方向に転ぶか悪い方向に転ぶかもわかりません。ただ、貴女にはその覚悟だけはしておいてほしくて。どうか最後まで私についてきてくださいな?」
「そんなこったろうと思ったよ。アタシからの答えはただ一つだってんだよ。とりあえず覚悟はしとくぜ。じゃあ仕事に戻るわ」
こうして定例会と密会は終わり、この王室には女王一人となった。
「ふぅ、未来視ですか。さすがは私が認めた人です。勘が鋭いですね。」
そういうと、女王は虚空に手を伸ばし、何も無い場所を掴むような仕草を見せたかと思うと、まるで何か板状のようなものを発現させ、指で触れて操作した。
これこそ、未来視と呼ばれた鋭すぎる勘の正体であった。
「ふむふむ、なるほど、ホーラ君ですか。才能は無いが精霊憑きの兆候あり。では、少し調べさせてもらいましょう。おそらくこの子の力は戦況を大きく変えてくれるはず。どうにかして王都に引き込まないと」
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