閑話:報告会
「これより、定期報告会を執り行います。女王殿下入場」
ここは王都サニマ
四方を様々な土地や文化に囲まれた、文字通り中枢都市であり、人類の最終防衛ラインである
「それではこれより、定期報告会を始めます。まずは防衛部、よろしくお願いします」
「わかっ、、、わかりました。防衛部の報告については「少しよろしくて?」えっ?あっ、サニア女王、どうされましたか?」
「今回私がここに来た理由は何も報告会のあり方などを問いに来たわけではありません。ですので、どうかいつも通りの空気感でやってくださいまし?これは王命と思っていただいても構いません、私のことはいないものとして、さぁ、どうぞ」
報告会、これはいわば月に一度行われる重要な会議であり、この報告会の決議によりこの国の今後の動きが左右されると言っても過言ではない。
しかしながら、それはそれである
部署は違えどみな同じような役職であるが故に、分かり合えるところも多く、普段部下に見せている表情と180度違うものも少なくはない
そんな報告会にこの国のトップが参加したいと言ってきたのである
今までの王であれば、報告会の内容なぞどうでもよい人間も少なくは無かった
しかし、この女王は参加するだけではなく、わざわざ王命などという物騒な言葉を使ってでも自分の存在を無いものとして扱えと言うではないか
これには皆、顔を見合わせた
「はぁ、本当に貴女という方は、、、さて、やるか!んじゃあ、とりあえず防衛部ちゃっちゃとやっちゃいなさい!こっちは帰って酒が飲みたいのよ!」
「えっ、いや、えっ??」
「なに?あんたそれでも玉ついてんの?しょうがないじゃないの!やるしかないわよ!」
「えっ、、、はぁ、、、わーったよ、じゃあまずはうちの報告からだ。っても、特段変わったことはねぇなぁ」
この王女にしてこの宰相ありである
女王は歴代で初であるが、それと共に女性の宰相も初であった
どうも、王女が指名したという噂もあるが、真相はわからない
「、、、というわけで情報部の報告は終わりますね?」
「はい、了解。んじゃあ、次は特務隊って今日は不在か。珍しいな」
「彼に関しては任務中ですわね」
「あっ、そうなのですね、じゃあ、もうそろそろ終わるが他に言いたいことあるやついるか?、、、特に無しか、、んじゃあ、最後に王女殿下一言お願いします」
「ありがとう。じゃあ、最後に私から、今まで聞かせていただきありがとうございます。普段の貴方方の空気を肌で感じさせていただきました。非常に頼もしく思いました。そして、ごめんなさい。こんな頼もしい方達に私は死んでほしくないと思ってしまいました。ですので貴方たちが生き延びる未来を常に模索していきます。これからもよろしくお願いします。それと最後に宰相は残ってください」
「おっと、わかりました。それじゃあ解散!」
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