第14話 統治1
飛空艇に帰って来た。
スカイウォーカーは便利だな。短時間で済む。前世では、お金がなかったので航空業界とは関われなかった。
『スカウト』『アタッカー』『ガーディアン』『クラフト』は、自力で帰って来るのだそうだ。戻って来たら、何か作ろうと思う。
とりあえず、聞いてみるか。
「なんで急いでいたんですか?」
「セイさんが、〈勇者の称号〉を新しく得たからですよ? これで、
あれか……、ダンジョンを踏破した時に、私が貰ったしょぼい
でもそうなると……。
「もしかして、私を倒すと〈勇者〉に認定されるのですか?」
「そうなります。現在、称号2個持ちの〈勇者〉ですね」
それで
だけど、不思議に思ってしまう。
「
「前任の『勇者:ユウキ』は、四層のモンスターを倒した時点で引き返しました。セイさんは、その時よりも討伐時間が短く、宝箱からより良いアイテムを手に入れたので、〈勇者〉交代となったのです」
……緩い条件だな。
「それで、
「そうなります。暴君だった元勇者ユウキは、もう弾丸を複製できません。弾丸が尽きた時点で、住民に殺されそうですよね」
どんな政治体制だよ。
手下も見限りそうだな。
「う~ん。私が元勇者ユウキを確保しに行った方がいいですかね?」
「なにも得るモノがありませんよ? それよりも、狙われる方が危険ですね」
こんな、アイ○ンマンスーツ着てて、危険なんてあるのかな?
忘れていたので、アイ○ンマンスーツを脱ぐ。
「ふう~。これから革命か……。見ているだけでいいのかな~」
◇
貧民層が反乱を起こし、第一次産業が荒廃した。
食料の供給が滞り、飢餓が広がって行く。
元勇者ユウキは、
誰もあの暴君の再来を望んでいないみたいだ。
「
今私は、海上にいる。
「〈勇者〉は、体に紋様が現れますからね。セイさんの場合は、右手や左手の甲ですね」
自分の右手の甲を見る。なんか光っているんだけど?
目立つな~これ。手袋しようかな……。
「混乱を起こす気はなかったのですが、どうにかなりませんかね?」
「隠すつもりですか? セイさんが、王様を名乗れば、皆従いますよ? ちょっとした強制力ですね。ですが、異世界人には効きません」
そんな特権があるんだ?
でも、私が王様か~。やる気ないな。
「自由経済主義で……」
「そうですか……」
権力をなくしても求心力はあるのか。
銃器なしでも、強いんだな。
「次の大陸に行くか、王様として、ここで君臨するか……」
「迷っているのですか? 王様になればいいじゃないですか?」
まあ、放置はできないか……。〈勇者〉には、大陸の統治の義務もあるみたいだし。
「今までの歴史が知りたいですね……」
そう思うと、目の前のウィンドウが動き出した。
情報が表示されて行く……。
「……多くは、武力でもって支配するんですね」
「どの道、武力は必要ですよ?
元勇者ユウキは、この世界に来て短そうだな。
それと、ナユさんみたいなブレーンがいない。未来の展望もないんだろうな。
「あの神様は、なんて言ってたっけ……」
「世界を平和に導いて欲しい……、ですね」
面倒以外の言葉が出ないよ。
さて、どうすっかな~。
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